担任だからできる九九指導

 七の段は、休んでる子を抜いて、4日間で、全員が覚えました。
 1日目、「7×1」「7×5」「7×9」の個人テストをしました。
『もう言えるっていう自信のある子から来なさい。』
 私は挑戦しにきた子に、上記3枚のフラッシュカードをくってから見せます。『しちご』と私が言い、
「35。」と、子どもが答えていきます。
 約3秒で言えなければ、『練習してきなさい』と告げます。
 約3秒というのは、子どもによっては5秒ぐらい待ってあげる子もいるからです。とにかく、その日の内に、全員合格させるべきだと思ったからです。
 ところで、この個人テストを授業中にやっていると、その間、他の子ども達は自習になってしまいます。当然、九九を覚える練習をするのですが、しっかり私が見ていなければ、手を抜く子だっています。
 2日目、7時半にはいつも学校に来ている私は、8時頃、教室で子ども達が来るのを待っています。
 黒板には「7×2」「7×6」「7×8」と書いておきました。
『○○くん、おはよう。』
「おはようございます。」
 子ども達が、次々と登校してきます。
 そして、朝から、九九の個人テストが始まるわけです。
 朝の時間で、クラスの3分の2ぐらいは、合格してしまいます。
 残りの3分1ぐらいは、授業中にちょっと時間をとれば、合格させることができるのです。
 日によっては、朝の内に、全員が指定の3つを合格できたこともあります。
 3日目、残りの「7×3」「7×4」「7×7」をテストし、4日目は七の段9枚のカードを全部でテストします。
 これで、全員が、合格できたわけです。
 授業時間以外で、九九テストをするなんて、邪道かもしれません。
 ただ、九九に限っては、担任だからこそできる、そういう時間外のテストの仕方も必要だと思うのです。
 それに、テストといっても、その子の多くの時間をとるわけじゃありません。
 しっかり覚えていれば、ものの数秒で言えるのです。
 また、ノートを見るのと違って、九九テストでは、私は子どもの顔と口元をしっかり見つめています。
 わずか数秒でも、全員の子と関われる機会というのは、とても大事なように思うのです。
 九九というのは、学級指導に最適なのかもしれません。 

(1999.12.4)