音読テストのお助け役

「かさこじぞう」の次の部分で、音読テストをしました。

「ばあさま、ばあさま、今帰った。」
「おうおう、じいさまかい。さぞつめたかったろうの。かさこは売れたのかね。」
「それが、さっぱり売れんでのう。」
 じいさまは、とちゅうまで来るとじぞうさまが雪にうもれていた話をして、
「それで、おら、かさこかぶせてきた。」
と言いました。すると、ばあさまは、いやな顔ひとつしないで、
「おう、それはええことをしなすった。じぞうさまも、この雪じゃ、さぞつめたかろうもん。さあさあ、じいさま、いろりに来て、当たって、くだされ。」

 これだけの文を1人ずつ音読テストすると、そうとう時間がかかってしまいます。そこで、「じいさま」「ばあさま」「地の文」の3人ペアで、テストを受けに来ることにさせたのです。
『じいさま、やりたい人?』
 手をあげさせました。
『ばあさま、やりたい人?』
 男の子もけっこう、手をあげています。ばあさまの台詞が多いせいもあるのでしょう。
『普通の文、やりたい人?』
 地の文は分量が少ないです。自信のない子には、ちょうどいいかもしれません。
『今、手をあげたのを見て、3人ペアを組んで練習したらテストを受けにおいで。』
 32人の子がいた、バランスよく3つに分かれるわけはありません。
 その内、テストを受けに来る3人組がやってきます。
 身近で聞く場合は、そんなに大きい声じゃなくても、スラスラ読めてたら合格にしました。スラスラじゃない部分があれば、その場でやり直しをさせて、合格させました。
 手持ちの座席表の名前で、合格した人に○をつけます。
 そして、合格した3人に、次のように言いました。

君たちは合格したから、足りない役を手伝っていいからね。

 これで、相手がいないで困っている子も救われるのです。
 お助け役で何度も、音読テストを受けに来る子がいて、それがいいのです。 

(1999.12.17)