計算ドリルのさせ方

 補教に行くと、たいていは学習内容が用意されている。
 算数ならば、『楽しい算数』というワークか、『計算ドリル』である。
 ある時行った5年生のクラスは、『計算ドリル』であった。分数の問題だ。
 私はまちがえそうな問題だけ選んでやり、1つのページが終わるたびに、1つだけ○をしていった。
 たった一つだけでも、合ってるかどうか見てもらえる、というのは、子どもにとって励みになるものだ。
 しかし、これだけでは、できない子はできないまま一時間が終わってしまう。
 そこで、必要なのが、

子どもの板書による答え合わせ

 これは、1年生と3年生の『計算ドリル』の時にやってみた。
 ○の付け方は同じ。課題が10題終わったところで、1つ○。次の10題で○がもらえたら、最初の10題の1つを黒板に書くのである。
 最初の10題が黒板に出そろったところで、書いた子に読ませる。
「1番、12+7=19です。」(子ども)
『19と書いた人?』と、私。
 子ども達の手があがる。
『その通り。○をしなさい。はい、次。』
「2番、13+4=18です。」
『18になった人?』
 手がパラパラとあがる。黒板に書かれるものは、正解とは限らない。だから、黒板を丸写ししている子は、一緒にまちがえる。
『違う答えの人?』と言って、手をあげた子をあてる。
「13+4=17です。」
『17になった人?』
 今度はさっきより、手がいっぱいあがる。
『その通り。間違えた人、なおしておきなさい。』
 こうして、10問の答え合わせが終わったら、向山氏の決まり文句を言う。
『全部合っていた人?……すごい!花丸をしましょう。茎も描きましょう。ちょ うちょも2匹描きましょう。間違えた人はなおしておきなさい。書いてない人 は写しておきなさい。写すのもお勉強の内です。一番いけないのは、何も書い てないことです。』
 3年生でも1年生も、黒板に書くのは嬉しいらしい。黒板に書きたいから、がんばって問題を解く子だって、多い。どんどん書かせるべきなのである。

(1998.11.18)