今のクラスで、意見を求めると、手をあげる子が決まっている。
なぜ他の子があげられないかを推理すると、一部の連中にやじられたりするのが、いやだからだろう。
授業すればするほど、クラスの子らの身勝手さが、よくわかってくる。
でも、そういう中だからこそ、問題を起こしそうな子ばかりでなく、目立たずまじめにやっている子をほめなければいけないのだろう。
今日で4日目だが、おとなしくて目立たない男の子の印象が、あまり残っていない。明日は、話しかけていくことにしよう。
ところで、今日、席がえをした。
子ども達の中から出された方法は、「くじ引き」「自由」「ペアを決めて席決め」
の3つだった。しかし、どれも男子は男子と、女子は女子とというのが前提になっていた。
そんな中で、私は男女で席を並んだ方がいい、という主張をした。
なぜ、男子同士・女子同士になったかというと、男子が20人・女子が12人で、男子の2人組はできるのに、女子は2人組ができないからズルイ、ということだ。 一応、私は意見を言った。
だいたい、次のようなことを言った。(箇条書きで記す。)
・世の中は、男と女で成り立ってる。
・つきあってみると、意外な相手の良さがわかったりする。
・恋が芽生えるかもしれない。
・好きな子となれるかもしれない。
・将来、結婚する時に、ろくでもない相手をつかまないために、見る目を鍛えておける。
恋の話をすると、「冷やかされたらどうするん。」と声があがった。
『冷やかすなんて、最低なことです。』
『冷やかすのは、さびしい人です。』と、辛辣に言っておいた。
と、まあ意見だけは言って、今回は、男子同士・女子同士のペアを前提として、席替えの仕方を決めた。
『昨日、給食当番や掃除当番は、先生のやり方で決めたから、ここも先生が決め たら、みんなも腹立てるかもしれない。今回は、君たちの言う通りでいいです。』
妥協したわけである。
「一つ押し通して、一つ妥協する。」
この逆ではない。押して、引くのだ。
緩急自在で、いきたいものだ。
(1998.12.1)