席替えだが、「自由」については、反対意見が出た。
「けんかが起こる。」というのだ。
賛成意見もないようなので、「自由」を消していいかどうか、確認した。
残るは、「くじ引き」か「ペアを決めてから席決め」である。
多数決をとる前に、私は次のように言った。
『もし、ペアで決めることになったとしたら、次のようにします。もし、3分間 でペアが作れなかったら、くじ引きで決めることにします。』
ペア作りというのは、「好きなもん同士」ということだ。いやな人同士で無理に組む必要はないのだ。
顔をふせて、多数決をとる。
「ペアを決めてから席決め」になる。
全員を起立させて、イスをいれさせ、
『ペアができたら、しゃがみます。用意、始め!』
1分ほどで、2人を残して、全員がすわった。
残った2人は、女の子である。
すわってる男の子らから、「早く座れや。」と、ヤジがとぶ。
『無理に、ペアを作らなくていいんですよ。』と、私。
「頼むから、座ってくれよ。」と、男の子。
しかし、結局、時間切れ。「くじ引き」ですることになる。
その後、給食の用意を始めさせるが、その時、
「○○のせいや。」と言う声がとぶ。
私は、もう一度、机をなおさせ、全員をすわらせる。
『決まったことに、あとからウジウジ文句を言う子がいる。好きなもん同士でペアを組むんですから、イヤだったらペアを組まなくていいんです。』
そして、もう一度、給食の用意。
給食室から帰ってきて、しばらくすると、一人の男の子が泣きそうなぐらい興奮していた。
教室の戸を拳で、どんどんたたいている。
とりあえず、その子のところへ行って、『どうしたの?』と、優しい声(?)で、聞いてあげる。
その子は、興奮して、その思いを話す。
『気持ちはわかるけど、世の中、自分の思い通りにならないもんやで。』
その子には、もう一つ怒ってる理由があって、自分のセーターに、みそ汁の汁をかけられたというのだ。
そこで、かけた子を呼ぶ。まあ、やも得ない事情らしく、かかったのもちょっとだったが、謝ってもらった。そして、なんとか、落ち着いたわけである。
(1998.12.2)