嘘でも学力アップ

 荒れた学級は、テストの点数がひどい。
 点数のいい子もいるが、たいていは塾を行っている。
 何しろ、授業が集中しないし、丁寧に書くということがおろそかになっている。
 成績が高い方が、不思議というものだ。
 さらに、テストの点数の低さが、より荒れに拍車をかけてしまう。
「俺って、バカだなぁ。」と思うことが、ストレスになるからだ。
 そこで、荒れた学級を持ったら、嘘でもテストの点数を上げてやる。
 方法は、いくつかある。

①名前に点数をつける。
②120点満点にする。
③1問5点でも1問4点引きにする。
④暗記内容は、穴あきで練習する。
⑤テストの問題文を教師が読んであげる。
⑥教えてない内容は、答えを言ってあげる。
⑦期間巡視して、ヒントや答えを教える。

①「名前にも点数がつくことがあります。」と言う。「つく」とは断言しない。
 これは、国語のテストで言うことが多い。
 そして、名前が丁寧なら10点。普通なら5点。雑なら0点プラスである。
②さらに、国語では120点満点にする場合が多い。名前の10点プラス。おまけ10点である。ただ、このおまけ10点には、厳しさがある。
 例えば、「あんパンお食べた。」というような「を」を「お」としてるのは、1点減点。また、教科書に「悪い」と書いてるのに、答えを書くときに「わるい」と書いてあるのも1点減点である。
 だから、120点満点というのは、1字1句完璧じゃないといけないのである。③は、よっぽどテストの点数が悪いときにしか、しない。普通百点満点の1問5点のテストなら、5問間違えていたら75点だ。それを1問4点引きにするから、5問間違えても80点となるのである。たとえ20問全部間違えていても、20点となるわけである。この4点引き採点は、点数の悪い子ほど、得する仕組みになっているのがいいのだ。
④理科や社会、はては家庭科などの暗記内容を問うテストは、へたするとボロボロの結果となってしまう。
 そこで、教科書をちょっぴり拡大コピーし、覚えさせたい箇所を切り取り、穴あきプリントにする。そして、練習させる。
 これなら、答えがわからない時は、教科書を見れば、答えがわかるのである。
 この教科書穴あきプリントの作り方は、原田氏に教えていただいた。  
⑤国語以外は、テストの問題文を読む。テストでの間違いの多くは、問題をしっかり読んでなかった結果によるものが多い。
 また、問題文の漢字が読めないという場合もある。
⑥市販のテストをやってると、教えてないことが問題として出てくる場合がある。
 こういう時は、こちらで答えを言うか板書して、その通り書かせる。当たり前といえば当たり前だが、この方法は教えてないことが多いほど、テストの点数はアップするという利点(?)がある。
⑦これは、よっぽど出来ない子に限る。
 サッと側によって、問題の問うてることをやさしくかみ砕いて言ってやる。それでもわからない時は、答えを言ってあげる。
 ただ、全部の問題について、ヒントや答えを言うのではない。これは全員が合ってほしいと思う問題を数問だけピックアップしておくのである。
 だいたいテストの最初数問は、やさしい問題になってる。
 そこで、テストが始まってしばらくしたら、期間巡視をしながら、最初の数問が書けてるか合ってるか、確認していくのである。
 ここで間違っているような子は、0点をとる可能性があるので、指摘してやるのである。
 0点なんていうテストは、決してとらせてはいけない、と私は思う。 

(1998.12.8)