同僚の梅垣先生が、『たのしい授業2002.1№248』(仮説社)に、興味深い原稿が載っていることを教えてくれました。板倉聖宣氏と小野健司氏の連名で、書かれたものです。タイトルは「沢柳政太郎と近代日本の教育」です。
〈読み書き雁行の法則〉の発見
このような彼の一連の研究の中で,最も大きな成果は「読み書き雁行の法則」の発見といっていいでしょう。「文字の教育は,〈読むこと〉を先行させて,〈書くこと〉をかなり遅らせておこなうほうが効果的だ」という法則です。
当時も現在も,国語科の授業では,「文字の読み書き」の教育は,並行しておこなうのが一般的です。しかし彼は,「〈読むこと〉と〈書くこと〉とは,全く別の認識の働きを必要とするものだ。(中略:荒井)
成城小学校では実際に「〈読み〉の教育を先行させてから,その後で〈書き〉を教える」という実験をおこないました。そして,この方法によれば,「漢字の教育や学習は,これまでの何分の一という比較的少ない労力で,同様の効果を収めることができる」ということを証明することに成功したのです。
1920年頃の研究です。沢柳政太郎って、ご存知でしたか。
(2002.1.7)