教師が教材研究するうえで、気をつけないといけないことがあります。
それは、教師がその教材について知りすぎてしまう、ということです。
昨日の模擬授業では、そのことが端的に授業の中で出てきました。
私は「イナゴ」の詩を何度も何度も読んでいます。今では暗唱もできます。そして、一つ一つの言葉の意味についても考えてきました。
しかし、初めてこの詩を見る人は、違うのです。
そのことを考えておかないと、難しい問いをこちらは簡単だと思って問うてしまうわけです。
「おりとりて はらりとおもき すすきかな 飯田蛇笏」
この俳句を見て、今思っていることや気付いたことを書いてみます。これが、初めて、この句に接する人の感じ方に近いと思うからです。
・「おりとりて」というのは「折り取りて」ということかな。
・「すすき」が出てくるから、季節は秋だな。
・「はらりと」といえば、「はらりと落ちる」という使い方があるな。花びらがはらりと落ちる、とか、涙がはらりと落ちる、という感じだ。
・でも、「はらりと重き」というのは、なんだか合わないな。そこがこの句のうまみなのかもしれない。
(2003.1.18)