5年理科「もののとけ方」第3時です。(第1時で席替え含め2時間。)
集中的発問はすぐに決まりました。「水に食塩をとかしたら、重さはどうなるか。」です。同じ・軽くなる・重くなるの3択です。
拡散的発問の部分は思いつかなかったのですが、最初に、電子てんびんを使う練習をさせました。
使い方をおさえた後、①くぎ ②ゴム栓 ③木のコルク ④画鋲 ⑤自分で決めたもの の5つを班で1人一つずつ決めて量らせました。
①~④は、以前、上皿てんびんで量らせたことがあります。(「てんびんとてこ」の学習です。)
①のみ、電子てんびんの使い方をみんなで読ませ、それに沿って①の子が実験をさせ、その結果をみんなに発表させました。
②~⑤は、各班でさせ、その後、それぞれ発表させました。
ここまでで全員が1つは実験し、その結果を1個は発表したことになります。
拡散的発問は出していませんが、活動は拡散的になっています。
(あえて言うなら、「自分の担当の物を量って発表しなさい。」となります。)
この後、授業のねらいに迫る集中的発問に移ります。
「水に食塩をとかしたら、重さはどうなるか。」
例えも出しました。水が10gで食塩が3gだった場合、13gぴったりなら同じ、12.9のように0.1でも小さければ軽くなり、13.1のように0.1でも大きれば重いということになる、と。
最初に電子てんびんで、いろいろな物を量らせているので、その精密さは印象に残っていると思います。
この日、5年生3クラスで授業をした予想分布です。
1組 2組 4組
ア 同じ 10 13 9
イ 軽くなる 7 7 8
ウ 重くなる 15 12 16
理由も以下に紹介します。
ア 同じ
・重さがあるからその分重くなる。(平野)
・塩が水にとけるから、水の一部になって水の重いのは塩がすいとってくれる。(柿木)
・とけても食塩が入っている水はからいから、水の中にまだあると思うから。 (石田)
・水の中にまだ食塩があると思うから。(吉田)
・形がなくなるだけで重さは変わらない。(鶴田)
・とけても、見えなくなるだけで、重さは残っている。(松原)
・水の中に食塩が入ったと同じだと思う。とけてもいっしょ。(淺井)
・塩がとけたけど、完全にとけてたからこそ、少しも変わらない。(時吉)
イ 軽くなる
・塩が水をすいこんで軽くなる。(大杉)
・とかしてなくなるから。(吉村)
・水はとけないけど、食塩は水につけるととけてしまうから軽くなる。(大石)
・液体になったからかるくなった。(高木)
・見えなくなったから。(小城)
・とかしてしまうと水と同じようになってまざって食塩がなくなってしまうと思うから。(田畑)
・食塩は水にとけるとなくなって、水の重さだけになると思う。(青山)
・とかして見えなくなるから、水の重さだけになると思うから。(垣内)
・とけるから。あと体がうくから。(伊藤)
ウ 重くなる
・前のじっけんのとき食塩が水にとけるとこを見た時、少し水がふえたかんじに見えたから。(今泉)
・とかした時に何かのげんしょうで0.1くらい重くなると思ったから。(増田)
・水の中に食塩を入れると、食塩の重さで重くなると思うから。(森本)
・水に食塩をとかしても、全部がきえるわけでもないと思うから、0.1gぐらい重くなると思います。(河島)
・塩が水にとけたら食塩水の水量が上がるからです。(大底)
・塩はかたまっているから、とかしたらふえると思う。(大原)
ウの重くなるの理由には、たんに食塩をたすから重くなる、と思っている子もいます。たした場合、普通ならたした合計、ということをおさえたつもりですが、どうも勘違いしているようです。
正解はアの同じなのですが、班によっては、軽くなったり、なぜか重くなったりしたところがありました。
「同じになったところ。」
と聞けば、半分以上の班が手をあげます。
「正解はアの同じです。同じにならなかったところは、実験のやり方がまちがってます。やり直しなさい。」
ここは強引でも正解を押しつけます。
そうならなかったのは、実験ミスだと言い切ります。
そうしないと、自分の班の結果を事実だと誤認してしまいますから。
やり直しの実験もそれなりに喜んでやっていたので、それでもいいのでしょう。
(2006.1.16)