火縄銃の意味すること

「ごんぎつね」の第6場面に、次の文があります。

兵十は立ち上がって、なやにかけてある火なわじゅうを取って、火薬をつめました。

 この文から類推できることは何でしょうか。
 まずは兵十が火縄銃を持っているという事実です。百姓が銃を持っているわけはないので、兵十は猟師である、ということが分かります。
 兵十が猟師であるなら、ごんのような狐を撃つのは、当然です。
 では、ごんは兵十が猟師であることを知っていたのでしょうか。
 ごんは、兵十に見つからないように行動しています。人間に見つかると、これまでのいたずらの仕返しを受けるというせいもあるでしょう。でも、兵十が猟師なら、撃たれてしまう命の危険もあるわけです。
「命の危険があるのに、ごんはなぜ兵十にくりを持って行ったのか。」
 まずは、うなぎのつぐないがあるでしょう。でもそれだけではないはずです。兵十と仲良くなりたい、分かり合いたいという思いがあるはです。
 つぐないと求愛です。
 つぐないと求愛、どちらがごんをつき動かしているのか。
 ここをセレクト発問にしてみたい。
私としては、最初はつぐない、それが求愛へと変わっていったんだと考えます。(2008.8.25)