詩に添えるメッセージ

 自分の好きな詩や歌詞などを選んで、友達やお世話になった人に、メッセージをそえておくろう、という単元が6年国語の教科書にあります。
そこには、甲本ヒロトの詩「人にやさしく」が載っていて、陸上競技大会で勝てなかったはるかさんへの紀子さんのメッセージもあります。
 その次に、この詩があります。

 授業の流れとしては、この「あいたくて」という詩を使って、メッセージを書く練習をしろ、ということです。
 1時間(45分)の中で、この詩を音読させ、この詩を理解させ、この詩に添えるメッセージを考えさせて書かせないといけません。
 時間はかかるかもしれないけど、「この詩を読んで、分かったこと・気付いたこと・思ったこと」を書かせようと思います。板書された気付きがメッセージを書く時のヒントになるからです。
 自分の分析を書いてみます。

① 話者は誰かに会いたい、何かに会いたい。
② 話者は誰かに会うため、何かに会うために生まれてきたと思っている。
③ 会いたい理由は、見えない言付けを手渡さないといけないから。
④ 比喩 おつかい途中の迷子…どこに行けばいいか分からない。でもおつかいは果たさなければいけない。
⑤ キーワード 会いたい・迷子・伝言

「この詩をどんな人に送ったらいいですか。」
 恋人:ぼくは君に会うために生まれてきた、と伝えるために。
 自殺しようとしている人:生まれたことには意味がある、と伝えるために。
 というような人と理由を出させ、どれかを選ばせて、仮のメッセージを書かせてみようと考えています。
 自分が選んだ詩でも、気付いたことを書き、誰に送ったらいいか考え、そしてメッセージを書くという手順でさせるわけです。

(2008.1.16)

 詩「あいたくて」の気付きとして、次のものが出されました。

・最後の「あいたくて」だけ1行なのにはなれている。(田中)→強調
・子どもに例えている。(神谷)
・生まれてきた意味を「だれかにあいたくて、なにかにあいたくて」にしている。(久田)→生まれてきた意味がメッセージに使いやすい。
・あいたくえのじがおおい(中)→作者が一番言いたいこと。
・いきなりおつかいの話になった。(早川)→比喩
・「あいたくて」が3回でてくる。(舩倉) ・何を手わたすのかわからない(石田)
・例えがわかりにくい(荒田) ・いろんな人に会いたいと思っている。(浮島)
・おつかいのとちゅうで迷ってしまっている。(小島)→ただの迷子ではない。
・めいろにいるみたい(宮田)→詩にない言葉を連想しているのがいい。
・何かをつたえようとしてる(小西)  ・なにかわからん(大杉)
・見えないことづけに何て書かれているか気になる。(乾)
・2こぼうせんがあるのはなんのいみがあるのかがわからない(三宅)→検討
 どんな人に送ったらいいか考えさせ発表させた後、メッセージを書かせました。

・なぜ自殺しようとするのですか?理由をだれかに話し、おちついて!!あなたはすくないかくりつでお母さんから、うまれたのです。命をなくそうおは、考えないで!!たとえ一人ぼっちでもこれから先の人生をなくすことになります。こまっていたらだれかの助けでまた人生をたてなおしおちついてこの詩をよんで!!ぜったい命をなくすことは、ぜったいにかんがえないで!!(桂)
・あなたに聞きたいことがあります。なぜ死のうとしているの?なぜ人生を捨てようとしているの?いらない命なんてないことをしってほしいです。命の大切さをしってください。この詩を読んであなたを必ようとしている人がいることを分かってください。(銭谷)
・自殺の前にこの詩を読んでみてください。もう少しだけ、がまんしてみませんか。これから、いろいろな人、物、できごとに会うかもしれません。今がまんすれば、今のいやなことを忘れられるぐらい、いい事があるかもしれないし、もう少し考えれば道が見えてくるかもしれません。あなたにあいたいと思っている人だって、いるはずです。だからもう少しがまんしてください。(舩倉)
・今岡誠選手へ
 あなたは、2007年スランプやけがで二軍落ちして、あまり試合に出る事ができませんでした。しかし、2003年右打者なのに、首位打者を取った今岡選手のバットコントロールは、メジャーリーガーのイチロー選手にも負けていないと思います。他にも打点王などのタイトルを取った今岡選手と阪神ファンは早く甲子園で毎日会える日を楽しみにしています。なので「あいたくて」という詩を送ります。(奥原)

 決められない人は、自殺しようとしている人へのメッセージを書かせたのです。

(2008.1.17)