2分の1成人式をやる意義

 2分の1成人式をやる意義について、もう少し考えてみます。
 子どもの未来は、日本の未来でもあります。今の子どもたちが、これからの日本を築いていきます。
 でも、今の世の中を見ると嫌になるようなことが多く見られます。
 最近のニュースで言えば、タクシーの運転手が客に強盗されて殺される事件。また、無差別殺人があり、食品偽造があります。
 総じていえば、安心できない世の中になっているわけです。
 さらに、不況によって、解雇され職を失う人も出て来ています。
 職がなけ、生きる望みもなくなれば、悪いことしてでも金を手に入れようとする人が出てくるでしょう。そうして、治安がさらに悪くなっていきます。
 そういう世の中を子どもたちは生きていかなければいけません。できることなら、悪に染まることなく、この世の中をよくしていってほしい。(私たちが今すべきことでもありますが。)
 成人するということは、世の中をよくしていくという責任も背負うことだと思うのです。
 では、成人したら急に、世の中をよくするために何かできるようになるかといえば、それは難しいでしょう。
 たんに20歳になるだけなら、誰でも年をとればなれるのです。
 要は、成人になるまでに何を学び、どんな力を蓄えるかが重要になります。
 それが何なのか、思いつくことを列挙してみます。

①よい社会(世の中)とは、どんなものかを思い描くことができる。
②よい社会を築くために、何が必要かを知る。
③よい社会を築くために、大人は何をしなければならないかを知る。

 3つ書くだけでも、気が重たくなってきました。
 私自身、よい社会がどんなものかを思い描けるかというと、難しいからです。 でも思い描いてみることが必要なのです。
 また、理想論だけでは世の中は回っていきません。
 己の欲望、例えば、「ゲームがしたい」という欲望を多くの人が持つからこそ、ゲーム会社関係の仕事が成り立つわけです。
 それゆえ、社会のためだけに生きるのが成人ではないわけです。
 自分の欲望を満たすために必要な金銭を働いて、そして消費する。それだけでも社会を動かしていることになります。
 それ以外にも、税金を納める、寄付をする、というのも、社会をよくしていく小さな行為でしょう。
 一方で、脱税したり、盗んだり、偽装したりすれば、社会に悪影響を与えるわけです。どちらについても、学ぶ必要がありそうです。

(2009.1.1)