一つの花・第3時

 あらすじを書かせる筋道をこの授業で見つけたい。

【音読】①第2場面の交代読み、教師と子どもたち
    ②第2場面の交代読み、子どもたちと教師
    ③となり同士の交代読み2回(2回目は読む場所が変わる。)
    ④句点交代読み(一人ずつ全員)
【ノート】1ページを真ん中半分から横に線を引かせる。
     上段に〔第二場面あらすじ〕に書かせてから、
     下段を問いかけながら書かせていく。
【下段】(太字は赤鉛筆で書かせる。)

いつ どこで
だれが
お父さん
どうした





 いつ・どこでは、第一場面と同じことを確認する。だれが新しく出て来たかを問うた。
 どうしたの次の行に①~③の番号は、一行おきに書かせた。
 お父さんがしたことを3つ選ばせて書かせた。
 一人の子に司会をさせ、お父さんのしたことを全体から出させた。

ア 戦争に行かなければいけない。(19人)
イ ゆみ子の将来のことを話した。(13人)
ウ 高い高いした。(18人)
エ 深いため息をついた。(6人)=心配した。

「深いため息をついたのはなぜですか。」と問い、「心配した」という言葉を子どもから出させた。「高い高いしたのはなぜか。」を問うと、「戦争に行ったらもう会えなくなるから」という理由を言った子がいたので、○か×か問うてから、他の子から反対意見を出させた。戦争に行くことに決まるのは、高い高いの後からなのである。

〔第二場面のあらすじ〕
一つだけと言えば、なんでももらえると思ってるゆみ子のことを、お父さんは、
「                                         」
と言って心配しました。
間もなく、じょうぶでないお父さんも戦争に行く日がやって来ました。

 今回は、あらすじの前後を私が書いたのを視写させ、「     」の中のお父さんの言葉を子どもに考えさせて書かせた。
 お父さんの言葉は以下に。(丸数字:荒井)

「①この子は、一生、みんなちょうだい、山ほどちょうだいと言って、両手を出すことも知らずにすごすかもしれないね。②一つだけのいも、一つだけのにぎり飯、一つだけのかぼちゃのにつけ─。③みんな一つだけ。④一つだけの喜びさ。⑤いや、喜びなんて、一つだってもらえないかもしれないんだね。⑥いったい、大き なって、どんな子に育つだろう。」

 ①の文を入れた子は5人、⑥は9人、①~⑥まで詰め込んだ子は1人、③~⑤が1人、③~⑥が3人、①+⑥とした子が1人だった。今回は、どれも正解にした。時間がなかったことと、どれもまちがいとは言い切れないからである。私としては、⑤の文を選ぶのが適切だと考えている。お父さんは、ゆみ子が喜びを一つももえらないかもしれないことを心配してるからである。

【今日まなんだ事】
・ゆみ子のお父さんが戦争に行くなんてかわいそうだと思った。
・ゆみ子のお父さんは、自分のことを心配しないでゆみ子を心配してるんだなぁ~と思います。
・今日私は、色々わかったし、お父さんは、カッコイイことを言うんだなとか思ったし、親は、やっぱり子どもの事を心配するんだなーと思った。

 あらすじを書くということは、大切な言葉や文を見極めて、そこだけを流れにそって残すということです。読む力が弱いからこそ、大切な言葉や文を抽出できないのである。

(2009.1.15)