「一つの花」主題と感想

「一つの花」の最終感想と主題を子どもたちに感想させて、この授業を終える予定です。その前に、私自身が考える主題は何かを決めておきます。

 人間とは平和であることのすばらしさを忘れがちであるが、平和であることはすばらしいし、それを大切に守っていかなくてはいけない。

 ゆみ子がお父さんの顔を覚えていないところから、「平和であることを忘れがち」な現代へ人々への警鐘と考えました。そして、お父さんがゆみ子に1つの花を手渡して、「大事にするんだよ」と言っているところから、「平和を大切にしていく」ことを訴えているのだと、私は考えました。
 授業は、学級通信を配り、昨日出された対比以外も発表させ、次の5点の対比が書けていれば、100点であることを告げました。

①お父さんがいる。→お父さんがいない。
②食べ物が配給である。(少ない)→買い物に行ける。
③コスモスがわすられたようにさいている。→コスモスの花いっぱい。
④「一つだけちょうだい」とねだるゆみ子→お母さんの代わりをするゆみ子
⑤ばくだんがとおとされる→平和(スキップ)

 似たようなことが書けていればOKとしました。
 この後、主題を書かせ、先着10人の子に板書させました。

・世の中とは、戦争がはげしい。
・人間とはがんばればしあわせになれる。
・世の中とは戦争があっても今は幸せ。
・人間は、がまんすればいつか、しあわせになれる。
・人間は、がまんするのが大事だ。
・世の中とは、戦争とか、こわいことがおきる。
・その人はせんそうにいった。
・人間とは、がまんが必要だ。
・人間とは、戦争してはいけない。
・人間とは、がまんをするのが大事だ。
・世の中は、こわい。戦争がまだつづいていたら、日本はほろびているかもしれない。

 私が期待するレベルの主題は出されなかったのですが、大人でも主題を導き出すのは難しいのですから、4年生で何とか書ければよしということにします。
 主題が書けた子から、学習後の感想も書かせていきました。

【第1時の感想→学習後の感想】
・ゆみ子の事をお母さんはゆるしてるけど、ぼくはゆみ子がちょっとだけわがままな気がします。しかしゆみ子はまだちいさいからしょうがないです。あとお父さんがどんなに子に育つだろうってどういう意味なんだろう。
            ↓
・ゆみ子は実は、わがままなんかではない。食べ物がないから、「一つだけちょうだい。」を口ぐせにして食べていった。しかし十年後には、食べ物を決めれるぐらい平和になった。このことから、がまんすることが大事だとぼくは思います。
☆ゆみ子はちょっとだけわがままだと書いていた岡田くんが、学習後では、わがままなんかではない、と言い切っています。これは、学習による変化でしょうね。

・最後のページでお母さんは、どこに行ったのかとか、お母さんは、戦争で殺されたのかと思い、全ページさみしく感じた。お父さんは、体が弱いのに、死んだなんて、さびしいな~と思った。
            ↓
・この話は、めっちゃこわいし、つらそうな話だと思った。今西さんがいいたかったのは、もっと、大事なことだと思う。私、人間とは、たくましく生きなければ、ならないものだとか、思ってたけど、でも、もっと大事な事を今西さんは、いいたかったと思う。
☆最初の時より、作者の言いたかったことを探るような思いがあり、さらに作者は大事な事を言いたかったのだと想定しています。思いに深みが出ています。

 途中で、[先生の考えた主題]を私が板書し、それを写させました。子どもでは到達できないものを指し示すことも大事なのです。

(2009.1.28)