「いのち」の詩を読んで

 東京書籍の『新しい国語6』の巻頭詩は、小海永二の「いのち」です。
 最初の三連です。
 あきらかに変な詩です。
 いきなり、「花です」と言う人はいません。
「これは何ですか。」と聞かれたら、「花です」と答えるでしょう。
 また、「花はいのちです」なら、分かります。
 花はいのちです。虫はいのちです。でも、「からだはいのちです」は、何だか変です。
 花はいのちです。というのは、花はいのちをもってます。ということでもあるでしょう。
 それならば、鳥はいのちです。草はいのちです。は、分かるのです。
 でも、「こころはいのちです」は、何だか変です。
 この何だか変なところに、この詩の胆(きも)があるわけです。
 からだをわたしの例えと考えれば、心をもつ私こそが命であるわけです。

(2015.3.17)