命を守れ

 昨日、避難訓練での校長の話は、今までで一番よかった。いつもの朝礼での話の百倍ぐらいよかったほどである。
 最初は、3分で全員が避難したことをほめられた。
「そのことをほめておきます。」という言い回しは、恩着せがましくて今ひとつ好きになれない。「すばらしかったです。」とか「すごいなぁ、と思いました。」と気持ちで表す方が、ほめらた気がするのではないだろうか。
 さて、本編の話がよかった。あやふやな記憶で書いてみる。

 前に、阪神大震災がありましたか。覚えてますか。
 大きな地震が起こって、家やビルが倒れたんだけど、どういう人が助かったか聞いてみました。
 タンスが壁に斜めに倒れて、その隙間に寝ていて助かった人。ピアノの下にいて助かった人、物と物が倒れてできた三角形の隙間にいた人が助かったようです。
 今日、机の下にもぐる練習をしましたね。
 校長先生も、机の下にもぐりました。しかし、おしりが出てしまったので、いそいでイスをひきよせました。天井が落ちてきても机やイスが助けてくれるにちがいないと、思ったからです。
 地震の時、一番大切なのは、自分の命を守ることです。
 生きていなければ、しようがない。
 今日の避難訓練で、みんなが机にもぐったのは、そういう意味なのです。

 ずいぶん、言葉じりや話す順番が違うような気がする。
 しかし、校長の訓話のすばらしさは、わかると思う。

 ①机の下にもぐるのは何故かの一点のみを語っている。(一時に一事)
 ②阪神大震災で助かった人のエピソードを具体的に語っている。(イメージ化)
 ③「命を守ること」という主張が明確であり、強いものであること。

  今度、地震の避難訓練をするときは、この話をもう一度語ってあげたい。
 そういえば、我がクラスは、昨日今日と学級閉鎖である。
 校長先生の滅多に言わない素敵な話をぜひ伝えなくては。

 今の校長先生は、そんなに好きじゃない。仕事のことより、ゴルフのことを語ることが多い。また、職員に無関心だ。守ってもくれない。
 それでも、素晴らしい話は、素晴らしい。
 人間性だけが、すべてではないのである。

(1998.2.7)