ただ今、診断テストをやっている。
いかに子どもに力を付け切れてないかを教師が突きつけられるテストである。
今回、テスト用紙には○つけをしなかった。
かわりに、診断テストについてくる学級一覧表に、問題ごとに○か×かをチェックしていった。これで、誰がどの問題でまちがえてるかが、よくわかる。
また、クラス全体で、まちがいの多い問題も、一目でわかる。
例えば、次の問題は24人中、13人がまちがえた。
7.「④目を まるく」と おなじ いみで つかわれているもの 一つに○を つけましょう。
ア( )わたしは、ともだちの 目を まるくかいた。
イ( )わたしは、ねこの 目の まねを して、目を まるくした。
ウ( )ぼくの せいせきが よかったので、おにいさんは 目を まるくした。
お話の中の④の文というのは、次のとおりである。
そこに 立った とき、おにの子は ④目を まるくしました。口で 言えないほど うつくしい 夕やけが、いっぱいに ひろがって いたのです。
よく考えると、これは難しい問題である。大人である私には、感覚的に意味の違いがわかる。しかし、子ども達にとっては、どれも同じ「目をまるく」である。
文中の「目をまるく」とウの「目をまるく」は、その言葉通りではなく、これは慣用句である。2年生で、慣用句を教えてはいないから、できないのも当然といえる。
では、なぜ11人もできたのか。
一つは、当てずっぽう。(勘)
二つ目は、アとイが同じで、ウが違うと分かったから。
3つの内、1つだから、当たる確率は3分の1ある。それに加えて、国語のセンスがあれば、何となくわかるだろう。
なぜ、ウが正解なのか、その理由を言える子は、少ないことだろう。
診断テストの子ども達の間違いを見てると、なかなか面白い。
なぜ間違えたかを推理するのも、楽しい。
これを○や×をつけて返すだけでは、もったいない。
この診断テストを使って、大いに授業をしてみようと、思う。
自分の解答があってるかどうか、ドキドキしながら、授業が受けられるのではないだろうか。
(1998.2.11)