『向山洋一の算数授業CDⅡ 小学校4年のわり算入門 7時間』の「第1巻 わり算の暗算」の中で、向山氏は次のようなことを教えている。
こういうのを何といいますか。
「しき」
式といいます。これは?
「こたえ」
答え。これは?
「しき」「けいさん」
計算、または筆算、どちらでもいいです。
計算と式と答え、これを「三点セット」といいます。
(中略:荒井)
はい、みんな、ノートに「三点セット」って書きなさい。
これから文章題を答えるときは、「三点セット」を頼るようになります。
この三点セットを2年生の子にも教えた。印象づけるために、マクドナルドのバリューセットの話をしたりもした。
「ハンバーガーとポテトとジュースの三点セットだよね。」
この「三点セット」という言葉は、実に効果を発揮した。
例えば、教科書の問題、とかせてノートを持ってこさせると、「式だけ」「答えだけ」「式と答えだけ」「筆算と答えだけ」など、どこか足りない解答が多い。 計算なら、×だけで、やり直しも自力でできる。しかし、全部ちがうのではなく、どこかが足りない場合は、なかなか×だけでは、気付くことができない。
そこで、「三点セット」と子ども達に言う。
すると、子どもは「あっ、そうか!」と気付くことが多いのである。
式、答え、筆算、どれが足りなくても、「三点セット」という言葉一つで足りるから、とても便利。
○つけというのは、策をうたないと、行列ができる。すると、並んでる子が騒ぎ出し、教室も喧噪につつまれてしまう。
一人一人を短時間で見る工夫の一つとして、子ども達にキーワードを教えておくことは、実に大切なことのようだ。
ところで、「三点セット」という言葉には、もう一つの魔力がある。
それは、三点を同時に扱ってるということだ。
「式」「筆算(計算)」「答え」それぞれが、同じように大切だということだ。
だから、式と答えの余ったところに、筆算を小さく書くということがなくなる。「筆算は堂々と、しかも必ず書く」のである。
(1998.3.6)