クラス解散パーティー

 1年間、ほとんど学級会というものをやってこなかった。
 理由はいくつかある。例えば、土曜日の3時間目に設定していたが、こども会や行事、休みなので、よくなくなった。
 だからといって、他の日にかえてやったりしない。ようするに、私が「学級会」を好きじゃないということ。それが一番の大きい理由なのだ。
 通知票や指導記録に記載するために、一応全員が所属する係りを作った。「動的係り活動」とは、別の係りである。
 その中に、学級会係というのもある。しかし、3学期は一度も学級会をしていない。いくらなんでも、これはまずいかなと、思った。
 そこで、「クラス解散パーティー」の話し合いを仕切らせた。
 といっても、今まで一度もしてないのだから、係りの2人はやり方がわからない。当然である。
 そこで、紙にやること・言うことを私が書いて、2人に渡した。

1.これから学級会をはじめます。
2.「クラスかいさんパーティー」について、話し合います。
3.せつめいは、先生がします。
4.やりたいことを出してください。
5.今から3分間、だれとでもいいから、やりたいことをそうだんしてください。
6.やりたいことを発表してください。

 学級会係は2人。1人が司会、1人が板書である。
 3の時に、私が「クラス解散パーティー」をなぜやるかを説明した。
「あともう少し、2年生がおわります。2年3組のみんなとすごせるのも、あと 3日しかありません。そこで、クラス解散パーティーをします。」
 するかしないかなんて、話し合わせない。(「しない」になったら困る。)
 6まで終わったら、あとは私が仕切る。
 各班に白い紙を渡し、出されたやりたいことの中から選び、プログラムを作るのである。
 そして、今日、各班が出したプログラムを縮小コピーして、学級通信の紙面に紹介した。
「先生、今日も言うこと書いてな」と学級会係。
 この学級会係、一回目の時は、「学級会いやだ」と言ってた。どうやっていいか自信がないからだろう。しかし、二回目は嬉しそうに、やることを聞きにきていた。台本があるというが、安心感を与えたようだ。 
 さて、今日は次のような台本で、学級会がすすめられた。

1.机の上に、プラス1を出してください。
2.質問はありませんか。
3.やりたいプログラムに手をあげてください。1人2回です。両手をあげるのはダメです。

 ほんとのことを言うと、今日は最初から私が仕切ろうと思っていた。しかし、学級会係がやる気で聞いてきたので、前半はまかすことにしたのだ。
 学級通信『プラス1』に、各班のプログラムが紹介されてる。そこを見て、まず質問を出すのだ。これが、よく出る。でも、大事。
 そのあと、2回手をあげる。2回あげるから、自分の班以外のプログラムも選ぶことになる。「両手をあげるのはダメ」というのは、今まで2回あげれる時は、両手は2票分になっていたからだ。
 さて、多数決によって、2つに絞り、さらに1つに決めた。
 このあとは難しいので、私が仕切った。
 まず、決まったプログラムを板書。
「この中で、どうしてもやりたくないのがあったら、1つだけ選んでください。」 いくら決まったプログラムといっても、部分的に反対があるのは当然である。「反対があれば、発表しましょう。理由も言ってください。」
 このあと、子ども達の手が次々とあがっていく。子どもは、反対するのが好きなようなところがある。
「プロレスに反対します。けがとかしたら危ないからです。」
「カラオケに反対します。歌いたくない人はどうするんですか。」
「お絵かきに反対します。絵が下手だから、書きたくない。」などなど。
 その反対に対して、それをやりたい人には代案を出させる。
「歌いなくなかったら、歌わなかったらいいと思います。」というように。
 そして、1人1回だけ「どうしてもいやな」ものに手をあげさせる。
「手をあげなくてもいいからね。」
「10人以上、反対が出るところは消します。」
 プロレスとカラオケが消えた。
 1人だけ反対のところでは、その1人にもう一度、反対理由を言わせ、それを解消する方法をこっちで言って、納得してもらった。
 このあと、「このプログラム以外に、やりたいことはありますか。」と言って、別のものを発表させた。他のプログラムの中で、捨てがたいものがあるかもしれないからだ。
 出されたものに質問・反対。そして代案。そして挙手。多数を採用。
 魚釣りとビンゴゲームが加わって、プログラムは完成したのである。 

(1998.3.20)