昨日、子どもが教室の窓ガラスを割った。
わざとではないが、遊んでいて両手を窓にドーンとついて、割ったのである。 廊下側の薄いガラスの窓ではない、校舎の外に面している分厚いガラスの窓をである。
そして、その子は左手をガラスで切ってしまった。
私はその時、別の場所にいた。子ども達から聞いて、かけつけた。
隣のクラスの先生が来ていて、ガラスの後片づけをしていた。見事に割れてる。 割って怪我をした子は、すでに保健室に行ったので、隣の先生に謝りつつ、保健室へ向かう。
その子は、笑いながら手当を受けてる。(強い子である。)
傷は深く、病院へ行くべきだろう。
保健の先生とも話したあと、私のは保護者に電話して、事情を説明し、学校に来てもらうようにいった。
それから、保健室にもう一度より、電話のことを伝え、今度は割れたガラスが落ちてる場所を掃除にかかった。すでに、何人か子ども達が来て、そうじしていた。(えらい子ども達だ、と思えた。)
内の教室は3階。窓の下に人がいなくて、ほんとによかった。
やがて、その子のお母さんが来られ、それから保健の先生と一緒に、病院に行った。(授業もあと1時間なので、帰る用意も持たせた。)
あとで聞くと、5針縫ったそうである。
さて、次の日の今日は、マラソン大会である。
その子は病院に行ってから来るので、遅刻。しかし、学校を出発する時には、登校してきた。
もちろん、その子は見学だが、ゆっくり走る(歩く)友だちと一緒に歩きながら、ついには走り出し、完走していた。(3500mである。)
教室に帰り、記録つきの賞状を渡してから、さよならをした。
しかし、その子には「昨日の事情を聞きたいから、残ってな」と言っておいた。 昨日、その子はガラスを割ったあと、けがした手をおさえながらも、「ガラス割っちゃった。」と隣の先生に言いにいったらしい。自分のけがのことよりも、ガラスを割ったことを気にする態度は、立派といえる。
さて、放課後、その子にガラスを割るまでの経緯を言わせた。(聞いていた通りだった。)
そして、昨日の態度はほめたあと、割ったことでいろんな人がいろんなことをしてくれたことなどを話した。廊下や階段の血をふきとってくれたこと、ガラスの破片をそうじしてくれたことなど。そのあと、その子は謝りや感謝の言葉を言い、「次からは割らないようにします」と言ったのである。
(1999.2.6)