腹を立てるな

 高木善之氏の『究極のしあわせ』(サンマーク出版)の中で、どんな時に腹が立つのかが書いてあった。

 自分の思い通りにならなかった時、腹が立つ。

 教師なんか特にそうだ。
 教師の指示通り子どもが動かなかった場合、腹が立っている。
 だから、私は腹を立てるのをやめようと、思う。
 むしろ、教師の思い通りにならなくて当たり前だ、と思うようにしよう。
 そうすれば、腹も立たない。
 教師が腹を立てていれば、子どもも腹を立てる。
 もちろん、注意すべきところは注意しよう。叱るべきときは叱ろう。
 しかし、そのことで子どもがぶつぶつ言っても、私は平然とするようにしよう。 注意したことや、叱ったことに、子どもが素直に従うと思うこと自体、要するにこちらのおごりなのである。
 教師として、まちがいに対して、注意や叱責をするのは、当然。
 それに対して、子どもがどう反応しようとも、腹を立てないでおこう。

(1999.2.16)

「自分の思い通りにならないもんだ」と思いながら、今の学級に接してみると、実に楽になった。
 例えば、1時間目の体育、非常に集合が遅い。
 早く来た子は、ボールで遊んでいる。
 私はのんびりと、コーンを出して、タグラグビーの準備をする。
 授業開始10分後(これでも全員揃ってない)、
『上着をぬいで、集合!』
 そして、両脇にハチマキをつけさせる。
 その指示に従ってやってきた子は、わずか一人。
 真ん中にある白のコーンとコーンの間に私が立ち、私にハチマキをとられないように、通り抜けさせるのをさせた。
 やがて、人数が増えてきた。
 授業開始20分後、それを終えて、
『4列に集合。』
 前4人並んだ子からすわらせていった。
 全員で立って朝の挨拶。体操服を着てる子をすわらせる。体操服は忘れたけど体育をできる子を次にすわらせ、見学は横にいかせる。
 このあと、試合をした。
 だいたい10~15分ぐらいだ。
 今回は、試合をしないチームもいる。
 タグラグビーの動きは、ずいぶんよくなっていた。
 さて、この体育。点数をつけるなら、5点(100点満点で。まだ甘いか。)
 しかし、今の学級の現状と、私の力量からみれば、これが一番楽にできる体育のやり方かもしれない。
 まともな体育をしようとすれば、私はカッカするし、学級もますます問題を発生していくだろう。
 子どもがいいかげんなら、私もやるべきことをちょっとでもやらせながら、そして、少しいいかげんにやっていった方がいい。
 2時間目は社会。プラン通り進めていく。
 5時間目の算数。説明すべき、ややこしいところは、子どもが騒ぐ。静まらない。歌が出る。
 ちがうページの問題を解くのだけをやらせる。
 いつも遅い給食当番、私は手洗い場のところで、待つことにする。教室にいると、子ども達が並ばずにバラバラに行ってしまうことがある。私は本を持って待つ。退屈しないためだ。そして、来た子からペアの子を呼びにいかせる。
 気長に待つということも、まあ気楽でいいものだ。

(1999.2.17)