『ていねいさ』と『持続性』

『飛翔期 向山洋一実物資料集 第16巻』(明示図書)は、「ランダム」と題する向山氏の学級通信で構成されている。
 その「ランダム」の創刊号は、1980.7.11の日付になっている。
「見すごしにはできぬことが多くあり、学級通信を発行する。」という出だしで始まる。(その号の題は「成長の条件 その1」である。)

 いかなる学習にとっても、大切なことは二点であると私は思っている。第一は、『ていねいさ』である。第二は、『持続性』である。

 ズバリ2つに絞っているところがすごい。そして、『ていねいさ』と『持続性』は相反するものではなく、「丁寧さを持続させること」という絡み合いがある。

 強いていえば、他人(例えば教師)の忠告を受け入れる『素直さ』があった方がいいが、上記の二条件を満たす子は、ほとんど『素直』であるからそれを入れることもない。

  これは私も感じるが、確かに、丁寧でない子には素直でない子が多く、素直な子は多くの場合、丁寧である。

 ところが、上記の二点の認め方が、私と多くの母親では異なると思える。
 第一に私は、上記の二点を絶対(・・)の条件と考えている。
 第二に私は、上記の二点を育てるためには、思いつき程度では駄目で、腰をすえてかかって数年は必要と思っている。

 ここまでをまとめると、次のようになるだろう。

学習にとって、「ていねいさ」と「持続性」は、絶対に必要である。

 この二条件を身につけさせるため、向山氏は次のようなことを行っている。

 算数ノートでも、「横線は必ず定規でひく」「ゆったりとノートを使う」ことを毎度いい、月に二回は検査もし、どうして大切なのか理由もいいとりくんできた。

 上記のことは、現在の向山型算数でも、強く主張されている。
 向山氏の絶対は、今も変わらないのである。

(1999.3.27)