学級を劇的に変えるために、行動開始しました。
1.席替え(コの字型)をする。
ボスの子の席だけを決めておき(子どもにはそのことをふせ)、男女交互の並び方で、くじ引きをしました。
話し合いの机の形にしたのは、どんどん意見を言い合える学級にしたい、からです。
班は今まで8班あったのを5人ずつの6班に。
1,2班、3,4班、5,6班で、兄弟班としました。
班5人で、1から5番の番号をつけさせ、
『1番の人、くじを集めて持ってきなさい。』
というような指示できるようにしました。
こんなことを決めてる内に、1時間目は終わりました。
まだ、ボスの起こした事件のことは、子どもに語っていません。
2時間目、B5大の紙を配り、「4年1組」と名前を書かせました。
『ていねいに、書きなさい。書いたら、鉛筆を置いて待ちなさい。』
机の上には、鉛筆と消しゴムだけを出させました。
途中、
『消しゴムを直しなさい。今からは消しゴムを使いません。間違えたら、×をつけておきなさい。』
他の子が発表するのを聞いてる中で、自分の意見を消されたら困るからです。
『今から大事な話をします。先生がいいというまで、途中で、口出ししないでください。』
そして、おとついのトイレ事件を語りました。
2.その事件について、どう思うか書かせ、全員に発表させた。
以下、全員の子のを紹介します。
・されたらいやだと思う。
・うそをついたなと、それくらいでするのいけないと思う。
・色がちがうからって、そんなひどいことをしてはいけないと思う。
・あまりされたくない。
・じぶんがされたら、とてもいやだ。
・やっては、いけないことだと思う。
・いけないと思う。
・大どうフレンズのぼうるのことでまちがってただけで、たたかれるからいやだとおもった。
・いやだと思う。
・ぶらしをしたにつけたことは、わるいことだと思う。
・いけないことだと思う。
・わるいことだと思う。
・わるいな、いやだなと思った。
・とてもいやなこと。
・いけないとおもう。
・いやな思いをする。
・わるいと思う。
・□□くんがかわいそうと思った。
・しては、いけないと思う。
・わるいと思う。
・いやになってくる。
・わるいと思う。
・いやだった。
・とてもひどいこと。
・そうゆう事は、しては、いけないと思う。
・いやなことだと思う。
・いいと思わない。
ボスをのぞくと、あと2人休んでいました。(ボスも休んだ。)
書いたことを発表するとき、声が小さい子は、もう少し大きく言わせました。 書いたことを読み上げて発表する、という当たり前のことが今までできなかったのですから、まずそこから変えていかなければいけません。
『トイレの時、そこにいたのは、○○くん(ボス)と□□くん(被害者)だけではありませんでした。それを見ていた人がいます。見ていた人、立ちなさい。』
きっちり9人立ちました。
『君たち、誰か一人でも止めましたか。』
それぞれ、首をふります。
『君たち、誰一人「やめや」とも言わなかったですね。』
うなずく。
『□□くんがかわいそうだと、思った人?』
9人とも、手をあげます。
3.「そこにいて、誰一人とめなかったことをどう思うか」書かせ、発表。
これも、来ていた子、全員のを紹介します。(記録として残したいからです。)
◎は、トイレの時、見ていた9人です。
・その9人の人がとめてあげればいいと思った。
・やめたらといったらいいと思う。
◎自分がとめなかったからこうゆうことになった。
・そのときに、「やめや。」と、いったらよかったのに。
・とめてほしかった。
◎とめたらいいと思う。
◎なんにもいえなかったけど、かわいそうだと思った。
・とめたらいいと思う。
・友だちなら、まわりにいた人が、とめたらいいと思う。
◎自分がとめないといけないと思った。
・○○くんをとめたほうがいい。
・注意しないといけないと思う。
◎とめないからわるいとおもった。
◎やめたほうがいいよ、といえばよかったとおもう。
・とめたほうがいいと思う。
・とめたほうがよかったと思う。
・とめないといけないと思う。
・かわいそうだと思うなら、とめてあげたらいいと思う。
・ちゅういしてあげたほうが、よかったと思う。
・止めないことはいけないと思う。
◎□□くんがたたかれてるのに、ぼくたちはとめなかった。だめとおもった。
◎先生に言いにいくことだってできたのに、ずっとたっていたことは悪いと思っている。
・その人のことをかわいそうだなというきもちは、ある。
・ぼくも、とめてなかったと思うけど、ちゅういはしたほうがいいと思う。
・ちゅういしなくちゃいけないと思う。
◎とめたいけど、とめられなかった。
・いざとなったら何もいわないより何かいった方がいいとおもう。
全員、発表させたあと、全員を立たせました。
『自分なら止めることができたと思う人は、すわりなさい。』
誰もすわりません。
『やっぱり止められなかったな、と思う人は、すわりなさい。』
全員がすわりました。
『このままだと、この学級は変わらないということです。』
4.「このクラスをどんな学級にしていきたいか」を書かせ、発表。
この発表の内容は、学級通信に載せています。
全員の発表のあと、私は自分の思いをほとばしるように、ぶつけました。
だから、何を言ったのか、はっきりは思い出せません。
言ったようなことを、箇条書きしてみます。
・安心してくらせるクラスにしたい。
・なぐられるのを心配したり、○○くんの顔色をうかがって生活しなければいけないようなクラスは、だめだ。
・今までの先生が、○○くんのご機嫌とりをしてきたのは、何のためだ。君らを守るためだし、君らが先生の味方にならなかったからだ。
・黙っていたら、同じことがおこる。
・みんなが言いたいことの言えるクラスにしたい。
・プロレスは禁止だ。遊びだといいながら、なぐられてことがあっただろう。
・○○くんが上着をぬいだら、他の子も上着をぬぐようなことはするな。
残り12分ほど、新たな席からの百人一首をCBAの順で、3試合しました。
『これから手加減しなくていいからね。』
1試合目、○○くんがいないことで開放されてる子どもらは、たくさんおしゃべりをします。
2試合目始まる時、
『おしゃべりは、お手つきです。』と、宣言。
この宣言をできるということが、私はうれしい。
3時間目は、専科による音楽でした。
私は、職員室のパソコンで、学級通信「一期一会」を打ちました。
2時間目に書かせた「どんな学級にしたいか」を載せたのです。
それを4時間目の最初に配りました。
帰る時くばるよりも、その方が、効果的だからです。
「はやい!」
と、子ども達は驚いていました。
何しろ、2時間目に書いて発表したことが、3時間目には学級通信に載せられているのですから。
教師のすばやい行動力を見せる。
もし何かあった時、先生はすばやく対処してくれる、そう思わせたいわけです。 4時間目、算数をして、昼休みは探偵で遊び、5時間目クラブ。漢字の宿題ができてない子を残して、さよならをして帰しました。
こういう日々を守っていきたい。
(2000.2.3)