ちょっとだめだった

 連絡帳の最後に、[日記]を書くことになっています。
 元ボスが、今日の日記を見せに来てくれました。

 今日は、ちょっとだめだった。

 こう書いてあったわけです。
『どうして、そう思うん?』と、私が聞くと、

・こけた子のことを笑ってたこと。
・きれそうになったこと。

などを話してくれました。
 一つ目は、音楽教室へ移動するため、廊下に並んでいるときのことです。
 他の組の子が登ってきたら、
「ワッが、やってきた。」
と言いながら、元ボスを含めた4人の男の子が笑っているのです。
『全員教室に入って、すわりなさい。』
 誰かをからかって、群れて笑っているのは、放っておけません。
 事情を聞くと、他の組のある子がこける時「ワッ!」と言ったのを見たそうなのです。
『自分がこけた時、からかわれたい人?』
 誰も手をあげません。
『からかわれたくない人?』
 立ってる子以外は手をあげてないので、立ってる子にも『からかわれてもいいのですか?』と聞いて、全員に手をあげさせました。
『こけたことをからかうものではありません。わかったらすわりなさい。』

 もう一つは、学習中のことです。
 元ボスの表情が険しくなっていました。
 私は、元ボスの側によって、
『どうした?何かあった?』
「何も。」
『顔が険しいで。』
 そういって、ほっぺたをぽにょぽにょしてあげると、少し笑い顔に戻ったのです。(イライラしてしまう原因は、いろいろあるわけです。)
『もう無理やったら、教頭先生のとこ行きや。今まで、うまくやってきたんやからな。』  
 今はとにかく、元ボスに怒りを出させないことが、大事なのです。
 イライラが爆発しそうな表情になった時は、一声かけ、身体やほっぺたに触れてあげるのが、いいようです。

(2000.2.24)