分析批評の授業構想表

 伴先生の作られた「新・向山型「分析批評」の授業構想表(A)を使って、「おりとりてはらりとおもきすすきかな」の発問を作ってみます。

1.作品の枠内(分析)
(1)書いてある
Ⅰ 語意
 ①未知 ~が分からない
  発問1「すすき」とは、何ですか。
 ②既知 やったことがある。見たことがある
     聞いたことがある(先生から 親から 友達から)
     食べたことがある かいだことがある 触れたことがある etc.
  発問2「すすき」を見たことがありますか。
    3「すすき」のにおいをかいだことがありますか。
    4「すすき」を持ってみたことがありますか。
Ⅱ 形式
 ①句読点
  発問5 句読点は打ってありますか。
 ②連 ③段落 
 ④空白(1字・行・結合分断法)
  発問6 この俳句を分けるとしたら、どこで分かれますか。
 ⑤リズム(五・七・五 etc)
  発問7 言葉の数はどのように並んでいますか。
 ⑥接続詞
 ⑦倒置法(会話の発言含む)
  発問8 倒置法になっているところをなおしなさい。
    (解:すすきおりとりてはらりとおもきかな)
 ⑧体言止め
 ⑨文末表現(敬体・常体・過去形 etc.)
  発問9「すすきかな」の「かな」は何を表していますか。(詠嘆)
 ⑩符号(?・! etc.) ⑪強調(太字・大文字 etc.)
 この後、設定・工夫(レトリック)・心情・思考・主題とそれぞれの項目があり、設定ならば、年代・季節・時刻・時間の流れ・天候・場所などの項目があります。
 さらに、「書いていない(あれども見えず)」で、語意・形式(スタイル)・設定・工夫・心情・思考・主題と項目があるのです。
 作品の枠内(分析)に対して、作品の枠外(批評)というのもあります。
 この表を使って、サークルで発問作りしてみたいですね。  

(2003.3.25)

 昨日の続きをやっていきます。(おりとりてはらりとおもきすすきかな)

Ⅲ 設定
 ①年代
 ②季節
  発問10 季節はいつですか。(秋)
  発問11 季節が分かる言葉:季語は何ですか。(すすき)
 ③時刻
  発問12 何時頃ですか。(日の出ている時刻)
 ④時間の流れ(いつからいつまで etc.)
  発問13 いつからいつまでのことを書いていますか。(薄を折り取った一瞬)
 ⑤天候
  発問14 天気はどうですか。(晴れ:月見ができるから)
 ⑥場所
  発問15 場所はどこですか。(薄が生えている原っぱ)
 ⑦主人公(主役・対役)
  発問16 話者はどんな人ですか。(風流を愛でる人)
 ⑧性格
  発問17 話者はどんな性格の持ち主ですか。(繊細)
 ⑨変化(数・様子 etc.)
  発問18 何が変化しましたか。(薄が折り取られた)
Ⅳ 工夫(レトリック)
 ①反復(リフレイン) ②色
 ③リズム
  発問19 言葉にどんなリズムがありますか。(五・七・五)
 ④声喩(オノマトペ)
  発問20 オノマトペは何ですか。(はらり)
  発問21「はらり」というのは、どんな音ですか。(?)
 ⑤比喩(直喩)
 ⑥構成の反復(第一の作戦は○○、その内容は○○、結果は○○、主人公の反応は○○)
Ⅴ 心情・思考
 あらわに書いてある
  発問22 話者の心情がわかる言葉はどれですか。(はらりと)
Ⅵ 主題
 あらわに書いてある

 次は、書いていないことを問うていきます。

(2003.3.26)

 続きです。(おりとりてはらりとおもきすすきかな)

(2)書いていない(あれども見えず)
Ⅰ 語意
 ①指示語(これ・それ・あれ・どれ etc.)
 ②代名詞(彼・彼女・彼ら etc.)
 ③言い替え(同じものやことの表現の変化)
 ④意味する範囲(ex.出口といったらどこまでか)
 ⑤必然性(どうしてその言葉を用いたのか・他の言葉を用いるとどうなるか)
  発問23 「はらり」を「ぱらり」や「ずしり」に変えると、どんな感じを受けますか。
Ⅱ 形式
 ①省略(あるべきものがない)
  発問24 話者は、何のためにすすきをおりとったのですか。(月見のため)
 ②複文構造
Ⅲ 設定
 ①年代 ②季節 ③時刻 (~頃だろう)
 ④時間の流れ(いつからいつまで・逆順etc.) ⑤天候 
 ⑥場所(範囲-ex.出口といったらどこまでか)
 ⑦所有者(誰の○○か-ex.飼い猫か野良猫か)
  発問25 すすきは誰のものですか。(誰のものでもない)
 ⑧主体者(誰が○○したのか-ex.誰の台詞か)
  発問26 すすきを折り取ったのは、誰ですか。(話者)
  発問27 すすきを思いと感じたのは、誰ですか。(話者)
 ⑨主人公(主役・対役)
  発問28 話者を主人公とすると、対役は誰ですか。(すすき)
 ⑩人物(こんな性格に違いない・こう書いてあるからこんな性格だ・見えない人物-ex.弟・妹はいるか)
  発問29 話者以外に誰か近くにいますか。(いない)
 ⑪見え(見えるor見えない・ずっと見ていたのか・次次次とどこを見たのか・いくつあるのか)
  発問30 すすきは何本ぐらい生えていますか。(たくさん生えている)
  発問31 話者は、折り取る前に、すすきをよく見ましたか。(見た)
  発問32 話者は、折り取るすすき以外のすすきも見ましたか。(見た)

 この授業構想表を使っていると、いつもの自分では思いつかないような発問を考えることができます。(まだ続く)

(2003.3.27)

 続きです。(おりとりてはらりとおもきすすきかな)

 ⑫位置関係(○○の位置はどこか)
  発問33 話者は立っていますか、しゃがんでいますか。(立っている)
 ⑬話者(どんな人か・どこから見ているか・どこで書いたのか)
  発問34 話者は、何才ぐらいですか。(若くはない。)
  発問35 話者は、子どもですか、大人ですか。(大人)
 ⑭事物(見えているものは何かすべて書きなさい)
  発問36 話者の目に見えているものをすべて書きなさい。
 ⑮距離
  発問37 話者とすすきは、離れていますか、近付いていますか。(近く)
 ⑯プロット
 ⑰起承転結
  発問38 この俳句を起承転結で分けなさい。
   (起 なし(月見のためのすすきを取るために家を出た)
    承 おりとりて
    転 はらりとおもき
    結 すすきかな(すすきにも命があるんだなぁ))
 ⑱要約
  発問39 この俳句を要約しなさい。(薄を折り取ったら重かった)
 ⑲クライマックス(山場)
  発問40 この俳句のクライマックスはどこですか。(はらりとおもき)
 ⑳ピナクル(頂上)
Ⅳ 工夫(レトリック)
 ①省略
  発問41 話者は何のために薄を折り取ったのですか。(月見のため)
  発問42 話者はこのあと、月見をしたのでしょうか。
 ②色(書いていないが見える色)
  発問43 どんな色が見えますか。(薄茶=すすき 青=空)
 ③対比(書いてあることとの対比・書いていないこととの対比)
  発問44 対比を見つけなさい。(薄=話者、はらり=おもき)
 ④類比
 ⑤象徴
  発問45 すすきは何を象徴していますか。(はかないもの)
 ⑥視点
  発問46 話者は何を見ていますか。(すすき、そして、すすきのはかなさ)

う~ん、なかなか終わりません。

(2003.3.28)

 続きです。(おりとりてはらりとおもきすすきかな)

 ⑦比喩(暗喩・擬人法-ex.本当に○がいるのですか)
 ⑧曖昧表現(どこで切れるのか-ex.海くれて鴨の声ほのかに白し)
 ⑨破調
 ⑩視点の転換(ごんから見るとこの話は~、兵十から見るとこの話は~)
  発問47 すすきから見ると、この俳句は、どんな意味になりますか。(?)
Ⅴ 心情・思考
 ①心情の推察(○○は分かっていたのか・気づいていたのか・○○したのはなぜか・賛成なのか反対なのか etc.)
  発問48 話者は、すすきが重たいと思っていたのですか。
  発問49 話者が、すすきを折り取ったのは、今日が初めてですか。
  発問50 なぜ話者は、今回に限って、すすきに重さを感じたのですか。
 ②心情の変化(いつ気づいたのか etc.)
  発問51 話者の気持ちが変化するのは、どこですか。
  発問52 話者の気持ちは、何から何に変わりましたか。(喜→哀)
 ③心情の比較(○だから嬉しいのか△だから嬉しいのか・どちらが幸せかetc.)
Ⅵ 主題
 ①読み方(朗読・音読法)
  発問52 この俳句は、明るく詠む方がいいのですか。それとも暗く。
  発問53 どこで区切って詠むといいですか。
 ②キーワード(~が大事である)
  発問54 この俳句のキーワードは何ですか。(はらり)
 ③これは~のことを言っている
  発問55 この俳句の主題は何ですか。
2.作品の枠外(批評)
(1)他作品との比較
Ⅰ 語意
 既知・未知
  ①辞書で調べた
  発問56 この俳句をできるだけ漢字を使って直しなさい。
  発問57「すすき」の漢字は、「薄」「芒」どちらがいいですか。(薄)
  発問58「薄」の方が合っているのはなぜですか。(はかなさが表現できる)
②百科事典で調べた
  発問59 すすきは1本で生えますか、たくさんで生えますか。(群生)
  発問60 すすきの茎の高さはどのくらいですか。(1~2m) (つづく)

(2003.3.29)

 続きです。(おりとりてはらりとおもきすすきかな)

 ③他の作品にもあった
  発問61「すすき」の出てくる他の俳句をあげなさい。
     (日陰れば芒は銀を燻しけり 米岡津屋
      分け入りて芒に溺れゆくごとし 山田弘子
      光る時光は波に花芒 稲畑汀子)

 ①何でもよいから比較
  発問62「名月をとってくれろと泣く子かな」と、この俳句を比べなさい。
 ②他の作者の作品と比較
  発問63「光る時光は波に花芒」の「すすき」と比べなさい。
 ③同一作者の他作品と比較
  発問64 飯田蛇笏の他の作品をあげなさい。
  発問65 飯田蛇笏の他の作品と、この俳句を比べなさい。
(2)自分との比較
Ⅰ 語意
 ①好きな言葉だ
  発問66 この俳句から好きな言葉を一つ選びなさい。
  発問67 この俳句から連想できる好きな言葉を一つあげなさい。
 ②よく使う言葉だ
  発問68 俳句でよく使われる言葉はどれですか。(かな)
 ③体験との比較(こんなことがあった)
  発問69 この俳句から思い出される体験を書きなさい。
  発問70「はらりと」を使うような体験を思い出して書きなさい。

 ①自分はここが好きである
  発問71 この俳句の好きなところをあげましょう。
 ②自分ならこう書く
  発問72 あなたなら「すすき」を使ってどんな俳句を作りますか。
 ③こういう書き方はよい
  発問73 この俳句の書き方のよいところをあげなさい。
 ④こういう書き方は面白い
  発問74 この俳句の書き方で面白いところをあげなさい。
Ⅲ 主題
 ①自分はここが好きである
 ②自分ならこうする
  発問75 あなたが話者なら、すすきを折り取ったあと、どう思いますか。
 ③自分はこう思う。
  発問76 この俳句に対する感想を書きなさい。

 やっと終わりました。でも、100問いっていません。
 この後、なんとか24問を考えつきたいものです。
 そして、その考えついた発問を授業構想表のどこに該当するのか、当てはめてみたいと思います。

  発問77 この俳句は、全部で何文字ありますか。
  発問78 この俳句に、題名をつけるとしたら、何ですか。
  発問79 話者は、幸せですか、不幸せですか。
  発問80 一文字かえて、まったく違う意味の俳句にしなさい。
     (おりとりてはらりとおもうすすきかな)
  発問81 次の少し似た俳句と比べなさい。
     (おいといてはらりとおつるすすきかな)
  発問82 漢字変換で、違う意味の俳句にしなさい。
     (おり捕り手原りとお鶴す好きかな)
  発問83 この俳句のパロディを作りなさい。

 けっこう無理矢理な発問です。

(2003.3.30)