深沢先生の言葉・文

 神戸市立横尾小学校の深沢英雄氏が書かれた『どの子も伸びるさかのぼり指導のアイデア』(小学館2005.6.10)から、ちらしに使えそうな言葉や文を抜き書きしてみます。

 読み書き計算の力を伸ばすには、次の三つのことが必要です。

1、子どもたちの、現在の学力実態を明らかにすること(診察)
2、どこでつまずいているかを分析すること(診断)
3、つまずいているところから再出発して指導すること(治療)

 さかのぼり指導とは、根本に立ち返って指導することなのです。(P.22)

 この診察・診断・治療を別々の時間にやるというのではなく、1時間の授業の中でできないかな、と思います。
 上記の本は、授業という側面のさかのぼり指導ではありません。
 さかのぼり音読・さかのぼり読書・さかのぼり計算というのがあっても、それは授業と別個にしてもできるものです。
 例えば、2桁でわるわり算を授業する時、九九が不自由分な子、わり算の商が立てられない子を見つけ(診察・診断)、いかにできるようにさせるか(治療)ということです。
 向山型算数のように、補助計算を書かせていくことも、さかのぼり指導といえるのではないかと、思うのです。
 深沢先生には、授業におけるさかのぼりを話していただきたいのです。
 授業におけるさかのぼりとは、何か。思いつくことを書いてみます。

① できないことを前提に授業をする。
(教科書の漢字は全て読めないと考えて、連れ読みで音読をさせてから、1人読みをさせる。国語に限らず。算数ならば、計算の過程をできた子に言わせて、忘れている子に思い出させる。)
② 知っていることを言わせることで、これまで学んだことを全体から出させ、忘れた子に思い出させる。
(「~について知ってることを書きなさい」型の拡散的発問が有効。)
③ 短い問いで、授業の前提知識を確認する。
(例:北の右側は、東・西のどちらですか。)

 子どもが前学年までの学習をきちんと習得していると勘違いするから、授業が破綻をきたすのです。不十分にしか学んでいないと考え、復習をさせるつもりで、授業の中に前学年の学習を盛り込めばいいのです。

(2006.3.14)