定年延長は是か否か

 和田秀樹『エリートの創造』(阪急コミュニケーションズ2003.8.26)に次のような記述があります。

 東大教授の定年延長の話も同様だ。自分たちにとっては、定年が延長され、身分は保障される。しかし、それは確実に若手の研究者のチャンスを減らすことになる。また給与の高い高齢教授の定年が延長されるのであるから、財政上も負担は大きい。六〇歳の教授一人分の給与で、四〇歳の教授が二人雇えるのだ。とくに独立行政法人化してからは、この人件費の負担のために、それだけ研究予算が減ることになる。
(中略:荒井)結局東大教授たちは、自分の利益のほうを大学の利益や国の利益より優先したわけだ(東大に結果的に雇ってもらえなくなる若手の研究者が外国に頭脳流出するのは必然的な国家損失といえる)。これではエリートの責任を果たしたことにはなるまい。(P.120)

 この文を読み、自分が正式な教員として採用されるために受験することはやめようと思いました。私はもう40代です。採用されれば、今もらっている以上の給料をもらうことになります。一人暮らしで生活に困ってもいません。今の講師の給料で、十分、快適に生活できます。
 正式採用になれば、いろいろと身分が保障されるでしょうが、自分の人生は自分で守っていこうと思うのです。

(2007.3.4)