塩野七生『ローマ人の物語ⅩⅤ ローマ世界の終焉』(新潮社2006.12.15)も、3分の2以上読み終えました。15年前から1年に1冊ずつ刊行されてきた「ローマ人の物語」です。読み終えてしまうのが、何だか惜しいように思えます。
政治でも軍事でも行政でも、人間世界の多くのことは「苦」を伴わないでは済まない。ゆえにそれを国民に求めねばならない為政者に必要な資質は、「苦」を「楽」と言いくるめることではなく、「苦」は苦でも、喜んでそれをする気持にさせることである。(P.319)
学ぶことも楽しいだけでいけるわけがありません。苦しい学びを楽しいものにかえるのが教師の役目ではないのです。苦しい学びの乗り越え方や、学んだあとにつかめるものを指し示すことこそが、教師の役目なのではないでしょうか。
学ぶことは楽しいという前提で立つと、授業作りは苦しいものとなります。
学ぶことは苦を伴うものなのだという前提に立てば、その苦をどう子どもに乗り越えさせるかを考える授業作りになるでしょう。
そう考えれば、授業作りは簡単だ、というよりも、授業作りは難しい、と言った方がいいのかもしれません。難しい授業作りをどのようなアプローチではやれば達成できるかを語る方が、学び手は学ぶ意欲を持つように思います。
難しい授業作りができる方が、達成感を味わえるというものです。
(2007.3.8)