以下、原稿の下書きです。
絵になる100マス計算(実践編)
《高学年編》宿題に「絵になる100マス計算プリント」
1枚目の「絵になる100マス計算」は、教室で子ども達にさせました。やり方を教えるためです。あとは、毎日の宿題として、「絵になる100マス計算」を渡していきました。
一方、学校では、毎日、百マス計算の時間を5分とって行いました。
「用意、始め!」
ストップウォッチで時間を計っていきます。
1分後、黒板に、「1分」と大きく板書して、
「1分です。」
と、子ども達に伝えます。
できた子どもは、手を挙げて「はい!」と言います。
私は、何秒かだけを伝えます。
例えば、「23。」と私が言って、黒板に「1分」と書いてあれば、その子の記録は「1分23秒」ということになるのです。
時間は5分あるので、5分以内に終わった子はすることがありません。
そこで、百マス計算の裏に、百マス方眼を印刷しておきました。これは「絵が出る100マス計算」の絵を子どもが考えるためのものです。
子ども達が描いた(ぬった)絵の中から、私は、「絵が出る100マス計算」の絵として採用するわけです。
そして、「絵が出る100マス計算」の中に、絵を採用した子の名前を入れるようにしました。
子どもの絵を採用して「絵が出る100マス計算」を作ると、絵を描いた子はもちろん喜びます。他の子は、友だちがどんな絵を描いたのかに、すごく興味を持って、そのプリントに取り組むことになるのでした。
さらに、教師にとって、すばらしい好循環を生み出します。
「絵が出る100マス計算」の絵を子どもから募集する。
↓
「絵が出る100マス計算」が何枚でも作れる。
そう、あたなたが購入された「絵が出る100マス計算」を全て使ったとしても、子どもから絵を募集することで、オリジナルなものを何枚でも作ることができるのです。
《低学年編》「絵になる100マス計算」をステキに色ぬり
めざせ! 百マス計算(たし算)10分以内
上記の目標をかかげ、毎日10分の時間をとって、百マス計算をしました。
一番初めは、全員が百マス1枚を終わるまで待ちました。その時の記録を見ると、一番遅い子で62分かかったのです。
まだ、この状態では、「絵になる100マス計算」を導入できません。宿題としてさせるにしても、1枚終わるのに時間がかかりすぎます。
3週間ほどたつと、ほぼ全員が10分以内にできるようになりました。遅かった子も10分で半分以上できています。そこで、百マス計算の代わりに、「絵が出る100マス計算」をさせ、10分でやりきれなかった所を宿題として出すようにしました。
(6月の最初の週には、全員が10分以内で百マスのたし算ができました。)
宿題の点検は、簡単にできます。
① 絵がぬれてあれば、「100」とかいて花丸をする。
② 絵が丁寧にぬれてあれば、「100」とかき、花丸に茎と葉をかき、「ステキ」というイラスト入りのハンコを押す。さらに教室の後ろにも掲示する。
子ども達の多くは、マスをぬるのに、色えんぴつやサインペンを使って、ステキにぬってくれました。
「絵が出る100マス計算」誕生秘話
私が百マス計算というものに出会ったのは、次の団体に参加するようになってからです。
学力の基礎をきたえ どの子も伸ばす研究会(学力研)=元 落ち研
ある時、パズル界で、「お描きロジック」というのが流行り出しました。
パズルを解くと、絵が浮き出てくるというものです。
「百マス計算も、お絵描きロジックのように、絵が浮き出るようにできないかな」と、ふと思いついて、作ったのが「絵が出る100マス計算」なのです。
今、読み・書き・計算などの基礎・基本の学力が、注目されています。最新の脳科学でも、読み・書き・計算が、脳の前頭葉を活性化されるという研究結果が出されています。
この「絵が出る100マス計算」で、楽しく基礎・基本である計算の力を子ども達につけてあげてください。
(2002.6.25)