だれでもできる授業づくり

 4月5日(土)に「だれでもできる授業づくり」という題で講座を担当します。

【必要性】
 授業は毎日あります。しかも小学校の担任なら、国語・社会・算数などのいくつかの教科を教えなければいけません。授業だけしていればいいわけではありません。学校行事があり、学校での校務分掌も担当します。会議もあれば、種々雑多な仕事も回ってきます。突発的なトラブルも学級内、学校内で起こります。
 そんな中でも、毎日の授業を滞りなく進めていく必要があります。
 それゆえ、授業づくりはだれでもできるものでないといけないのです。
【前提】
 45分を無為にすごすだけでは授業とはいえません。
 私が考える授業の前提は、「どの子も伸ばす」です。
 全ての子に学力をつけ高める。全ての子の人間性を高める。そういう授業をめざしていかなければいけません。
 1時間1時間の授業で、全員が到達点まで行けることまでは保証できません。
 子ども個々の過去・能力・発達、それぞれ全てが違うからです。
 長いスパンの中で、このこととこのことだけは全員ができるようにする、ということを日々の授業の中で目指していきます。

(2008.3.6)

【条件】
(1)1つのやり方を身につける。
 1つのやり方を身につけることで、安定した授業づくりができます。
 最初の内から、いろいろなやり方を試すと、結局は自分のものとなりません。しかも、そのやり方を支える教育的思想をもあれこれ試すことになるので、教育的一貫性がとれなくなってしまいます。多重人格のようなものです。
 様々なやり方がめまぐるしく変わっていくことに、多くの子どもたちがついていけないことでしょう。映画ならば、場面展開が速いアクション物は人気が出ます。でも、毎日毎日の授業でそれをやられると、つかれてしまいます。
 私が提案するのは、「2つの発問で組み立てる授業」です。それは全員参加の授業のための2つのタイプの発問を駆使するものです。
 ただ、そのやり方だけで全ての授業ができるわけではありません。教科によって、やり方が変わるのは当然なのです。また、1つのやり方だけで教師生活を一生終えるような不勉強な姿勢でもいけません。1つのやり方で、授業を安定させながら、違うやり方も身につける努力をすることが大切です。
(2)原則を学ぶ。
 教科・教材には、それぞれの特性があります。その特性に合わせた教え方の原則も存在します。それは学んでいくしかありません。自分自身で身につけるのは時間もかかりますし、困難です。それは、三平方の定理を自分で編み出すようなものです。そんな無駄なことに時間をかけず、先人の教師が見つけた原則を検挙に学んでいきましょう。
 例えば、物語文を教える時は、主人公の成長に視点を当てます。
 水のかさを教える時は、直接比較・間接比較・個別単位・普遍単位の順に教えていきます。
 原則を学んだからといって、それを授業の中でうまく適用できるわけではありません。でも原則を意識していないと、本質的な学びからはずれてしまうのです。
(3)常に学ぶ。
 学びと経験の蓄積は、授業づくりを大きく支えてくれます。
 年をとればとるほど、大きな校務分掌をまかされ、大変な学年の主任もまかされ、自分のクラスだけではなく、同学年のクラスのこと、または学校全体のことを考えて動かなくてはいけなくなります。
 授業づくりにとれる時間は限りなく0に近づきます。
 そういう時に自分を支えてくれるのが、これまでの学びと経験なのです。
 教育書に限らず、一般書も、常に読まなければいけません。
 教育関係の研究会・講座、そしてサークルに参加し、自分が担当している学年以外の実践も学んでいくことも大切なのです。

(2008.3.7)