論理的思考力をつける発問とは

 関西青年塾で、私の講座を受けられた方から、次のメールがありました。

2月14日の関西青年塾に参加していた者です。
高槻市の小学校に勤務しています○○○○(省略:荒井)といいます。
先生のお話、とても興味深く聞かせていただきました。その研修の中で、
「4月~5月くらいはマルチ発問で授業への全員参加を意識化させ、その後に、セレクト発問を使って理由づけや『論理的思考力』を養っていく・・・。」というような説明をされたように思います。(聞き違いでしたらすみません。)
現在、僕の学校では国語の委嘱で、その『論理的思考力』について研究しています。
教師になって4年目が終わろうとしていますが、その『論理的思考力』という言葉の意味がよくわかりません。
「読み、書き、話す聞く」すべてにおいて、違う側面を持っているように思うからです。 そこで僕なりに、
『論理的思考力を養う下地として、『授業への全員参加の意識化』が必要で、そのためにはマルチ発問が有効な手段である。』と認識したのですが、間違ってはいないでしょうか?
お忙しいとは思いますが、よろしくお願いします。

 このメールに対して、次の返信をしました。

メールありがとうございます。
論理的思考力については、宇佐美寛氏の本をお読みになることをお薦めします。もしくは出口注氏の本がいいかもしれません。
『論理的思考力を養う下地として、『授業への全員参加の意識化』が必要で、そのためにはマルチ発問が有効な手段である。』という○○さんの指摘は、下地としてはそうですが、マルチ発問が論理的思考力を養う有効な手段とはいえません。むしろ、論理的思考力を阻害しかねないのがマルチ発問です。マルチ発問は、多様な答えを問う発問ですから、どれでも正解となります。
論理的思考力は、これだけが正解、ということを証明するために作られていく力だと、私は考えています。それゆえ、論理的思考力は鍛えるために、セレクト発問が有効だ、ということを話したのです。
授業への全員参加の意識化が大切なのは、もちろんそうです。
全員が発言しようと思ってこそ、いろいろな意見が交流されるからです。
セレクト発問で、AかBか問うたとき、その理由を言う子が数人では、その理由を元に話し合い、相手の理由(根拠)のおかしさを指摘し合う、ということが成立しません。たとえ相手に反対されるかもしれないとしても、発言する、そんな思いをつけるために、マルチ発問で発言耐性をつけておくわけです。
けっして、マルチ発問が論理的思考力をつけるものではありません。
不十分な説明で申し訳ないのですが、分からなければ、またメールしてください。

(2009.2.28)