あまりの理屈は難しい

 次の問題をなみはやの模擬授業で扱います。

 2.7mのテープから、0.6mのテープを切り取っていくと、何本とれて何mあまりますか。
①「読みます。2.7mの、サンハイ。」
②「声がそろってないので、もう一度。サンハイ。」
③「うまい。」
④「これは何のお話ですか。」指名する。
⑤「テープを切り取る話ですね。」
⑥「何を聞いていますか。」指名。
⑦「その通り。みんなで、サンハイ。」
⑧「ノートに式を書きなさい。」
⑨「日付・ページ数・問題番号も書くのですよ。」
⑩「みんなで言います。サンハイ。」
⑪「今から筆算で計算して、答えまで書きなさい。」

 ここからがメインの授業となります。
 ふと考えたことがあります。
 教科書の問題配列では、最初、整数÷小数をわられる数とわる数を10倍して、計算させていました。
「わり算では、わられる数とわる数に同じ数をかけても商は同じです。」
というのが理屈です。
 では、次の場合、どう考えたらいいでしょうか。

 10 ÷3 =3あまり1
 100÷30=3あまり10

 商は同じになるけれど、あまりは同じにならないのです。
 なんで、あまりは同じならないのか、説明できますか。
 商というのは、わった後の答えです。10倍したもの同士わっても、10倍する前のものと変わりません。でも、あまりはわられる数であって、まだわられていないのです。だから、あまりはそのままではいけないのです。
 あまりはまだわってないので、10倍したのを10でわって戻さないといけないのです。
 でも、ここの理屈は大人でも難しいのではないでしょうか。ならば、ここは「元の小数点をおろしてつける」とルール化するしかないのです。

(2003.6.19)