困難な学級を掌握するために

 どの先生もお手上げの学級で、谷先生が授業されました。
 最初、子どもたちは、谷先生を見ようともしません。
 授業前、本を読んでる子に谷先生が声をかけます。
「本読むの好き?」
「知んねぇ。」
これが、子どもの返答なのです。3年生です。
 谷先生は、ジャンケンをしながら、子どもたちとの関係を築いていきます。
「前に集まれ。」
と谷先生の指示で、全員が谷先生の周りに集まりました。普通、そんなことはありえなかったらしいです。
「全員起立。」「腰を下ろせ。」「全員起立。」「着席。」
 ジャンケンや、後出しジャンケン、指が消えるマジックなどをしながら、時折、谷先生が上記のような指示を出します。着席の指示で、その場ではなく、自分の席に戻ろうとした子を谷先生が「よく聴いていた」とほめます。
 たぶん、この流れが、先生の指示通り聴いて動くことが、船長さんの命令みたいなゲーム感覚で子どもたちに入っていったのではないかと思います。
 最初の指示の徹底、これを谷先生は、様々な技法を使いながらしてたわけです。

(2011.3.7)