花丸は一人だけです

 算数の教科書に、以下のような表が出てきた。

 ここは「0のかけ算」を学習するところである。
 まず、はいったところ別の各点を書き込ませる。とく点覧は、上から15,0,5,0だ。(点はつけてはいけない。)
 そして④の問題が「なお子さんのとく点は、ぜんぶで何点ですか。」である。「できたら、ノートを持ってきなさい。」
 20点。「式がないから×です。」
 15+5=20 答え20点。「正解です。1番目。」できた順に番号を言った。
 早くできる子は答えだけだったりして、あとから来てもしっかり式を書いてる子が、正解していった。
 やがて、○が次々と続いていく。
 そんなある時、花丸が出た。
「山本さんは、花丸です。」と、私が宣言すると、
「なんで、なんで。」と、子ども達から声が。
「花丸は、山本さんだけです。」と私。
 子ども達数人が、山本さんのノートに群がっていった。「そうか。」の声も。
 全員正解したあと、山本さんに式を言わせた。私が板書する。
「15+0+5+0=20 答え20点」
「どこがいいですか?」と私は子どもに聞いた。「ちゃんと0点のところも計算してる」というのが出た。「この式だと、5点のところで15点、3点のところで0点、1点のところで5点というのが、わかっていいからです。」と説明する。
 次に、下のような表が続いて出てきた。 

「まさるさんのとく点は、ぜんぶで何点?」の問題では、「10+6+6+0=22 答え22点」を書いた子がほとんど、いっぱい花丸が咲いた。

(1998.4.17)