「荒井先生」という題で、子ども達に作文を書かせた。松藤司氏の実践の追試で、次のような形式を、子ども達に与えたのである。
たんにんの荒井先生は、ひとことでいうと、…………です。
先生のおもしろいところは、…………です。
…………で、わたしたちはほめられました。
…………で、わたしたちはしかられました。
せんせいのくせは、…………です。
いくつか紹介しよう。
たんにんの荒井先生は、ひとことでいうと、やさしい先生です。
先生のおもしろいところは、きゅうしょくのときです。
はくしゅをしたので、ぼくはほめられました
本読みのときでしゃべっていたので、ぼくはしかられました。
先生のくせは、よく名前をまちがえるくせです。(延壽くん)
たんにんの荒井先生は、ひとことでいうと、ちょっとやさしくていつもいっしょにあそんでくれるからやさしいです。
先生のおもしろいところは、まちがえたときです。
はくしゅをしてわたしたちはほめられました。
先生のくせはすぐまちがえる。(和泉屋さん)
たんにんの荒井先生は、ひとことでいうと、おもしろいです。
先生のおもしろいところは、35才で、白らががはえていることです。
きゅう食のことでぼくたちは、ほめられました。
あいさつでぼくは、しかられました。
先生のくせは、さいとうくんとぼくをまちがえることです。(中村くん)
ちょうどこの作文を書かせた日に、私は何度も間違いをしてしまった。
1つ目は、昨日配るはずの学級通信を今日配ったこと。(しかも、「明日の学習参観、お楽しみに」と書いてある分である。)
2つ目は、中村くんと齋藤くんの2人を何度も、呼び間違えたことである。
子ども達は、実に先生の間違いに敏感である。でも、「先生でも間違えるんだ」ということで、案外、安心できることもあると、思う。
次に叱られた内容だが、それほど厳しく言ったわけではない。でも、子ども達にとっては、教師にとってささいに思える注意が、「叱られた」として残っているようだ。
ところで、私は33才だ。どこで、誤解してるのだろう。
さて、子ども達の作文を全員分見て、書いてあることを分類してみよう。
《荒井先生は、ひとことでいうと…》
・やさしい(19人) ・おもしろい(5人) ・たまにまちがえる(1人)
・おそろしい(2人) ・先生(1人) ・あらい先生(1人)
・かっこいい(1人) ・頭がよさそう(1人) ・すごい(1人)
・サラッとしている(1人)
「おそろしい」というのが、わからない。ふざけてかいたのかもしれない。
「サラッとしている」と言われたのは初めてなので、紹介しよう。
たんにんの荒井先生は、ひとことでいうと、サラッとしていることです。
先生のおもしろいところは、ほうかご友だちがあの先生「ミスター、ビーンに、にてるなー。」と言いかけた時、先生が、「えっ、かっこいい人ににてる?」と言っていた所。
れんらくちょうでれんぞく花マルだったからほめられました。
しかられたことはわすれました。
せんせいのくせは、サラサラとものを言うことです。(原さん)
連絡帳には、いつも花丸をつけている。たいていの子は、一番ていねいに書けてる一字だけである。でも、全体がていねいに書けてる子は、全体に花丸している。原さんは、いつもていねいで、私より美しい字を書くので、いつも全体の花丸になっている。
「サラッとしている」という評価、気に入っちゃったなぁ。
(1998.4.25)