シールの絵が、たて4枚、横に10列並んでいる。
『シールがあります。全部で何枚ありますか。ノートに書いてもってらっしゃい。』と、指示を出す。すると、
「ノートに書いて、持っていくん。」と、つぶやきが。
『その通りです。』
「式とか書くん?」
『先生が、言った通りです。』
しばらくしてから、
『問題がわからない人、手をあげなさい。』
手があがらなかった。しかし、あきらかにわかってないような子がいる。
『いないですね。いいですね、問題わかったんですね。……わからない人、手をあげなさい。』これで、やっと二人手があがる。
『正直でよろしい。』と、ほめる。
『もう一度言いますよ。シールは何枚ありますか。ノートに書いてもってらっしゃい。』
「式ごと?」
『言った通りです。』
問いの指示は変えてないつもりだったが、微妙に変わっている。
やっと、子どもがノートを持ってきだす。
『日付が書いてません。』
まず、そこでチェックし、追い返す。
○をもらった子には、次の問題をやるように指示しておいた。
『×をもらったら消さないで、違う覧に書きなさい。』
ところで、×が結構いた。多くの子は、式だけ書いてくる。別に「40まい」という答えだけでも、いいのだが、それは書かずに式だけ書く。
教師の問いに、的確に答えるという力が不足しているようだ。
また、「40」や「40こ」と書いてる子もいた。
『先生は、「シールは何枚ありますか」って、聞いたんですよ。』
『それに、ちゃんと答えた。』
『何枚あるの、って聞いてんのにな、式だけ書いている人がいます。』
『何枚、って聞いてんのに、何こと書いてる人もいます。』
『いろんなまちがいがあるんですね。』
録音してるのを聞いてると、結構、間をとって、話している。
今の学校では、教科書以外に、学校独自で編成したテキストがあって、それも必ず使わなければいけない。しかし、子どもの力をつけようと思えば、やはりノート指導は欠かせないように思うのだ。
(1999.4.15)