今日は、2ケタ×1ケタの筆算を授業した。
学校のテキストが2ページ、教科書では1ページ分である。
1時間目、10分遅れで始まった。職朝のあと、担任の先生が係で集まり、学級の朝の会が遅れたからだ。
教科書だけなら30分もあれば十分なところだが、テキストも使うとなると、45分でも足りないような気がする。それが35分だけと、なってしまった。
『7のだんです。さん、はい!』
7のかけ算のフラッシュカードをした。7×5、7×8…というように、バラバラに並べたカードで、式と答えを一斉に言わせていく。
これで、全員がそろった。
『テキスト8ページを開きなさい。問題を読みます。さん、はい。』
キャラメルが3はこあります。1はこに12こずつ入っています。ぜんぶで何こキャラメルがありますか。
つぎのかけ算を、ひっ算でしましょう。
私も一緒に読みながら、テキストを出す子が遅い子には、出すように指で合図をおくった。これで、全員がテキストを開けた。
『1あたりのりょうが、わかる人、手をあげなさい。』
テキストに「1あたりのりょう 」と書いてあり、その答えが書き込めるようになっている。
「1はこあたり12こ、です。」
『その通り。賢い。』12こ/はこ、と板書。
『写しなさい。』
1あたりのりょうを言うのは、2年生からの復習のようなものだ。だから、あっさり答えを言わせて書かせた。もちろん、ほとんどの子は、すぐには答えられなかっただろう。
『いくつ分か、分かる人?』
「3はこ分です。」これもテキストに書き込めるようになっている。
3はこ分、と板書し、『その通り、よくできる。写しなさい。』
そして、次は式を書き込むようになっている。
『全員起立。式を書きます。式がわかった人は、すわって書きなさい。』
ちょっと待つ。2人ほど残った。
すわった子を当て、式を言わせる。
「1はこあたり12こ×3はこは、四角こ。」
12こ/はこ×3はこ= こ と書く。
『立ってる人、読みなさい。』
言わせたあと、すわらせて、書かせる。
このあと、赤・緑・黄色の色えんぴつで、タイル図を書かせる。
次に、教科書の筆算の仕方をノートに写させる。
再び、テキストに戻り、さきほどの問題を筆算で書かせる。
この時、筆算の書き方を一人ひとり順に言わせていく。
『最初に何をしますか。』
「12を書きます。」
『次に何をしますか。』
「×を書きます。」
『その次に何をしますか。』
「3を書きます。」
『3をどこに書きますか。』
「2の下に書きます。」
『こんなとこや、こんなとこや、こ~んなところに書いたらダメですね。』
ここは遊び。いろんなところを指し、最後は黒板の端っこの方を指す。
『次に何をしますか。』
「線を引きます。」
『そう、定規でひきます。線をひいたら、どうしますか。』
「3と2を書けます。」
『3×2はいくつですか。』
「6です。」
『6をどこに書きますか。』
「2の下です。」
というように、筆算の順序をおさえていくのである。もちろん早いテンポで。 最後までやったら、もう一度、筆算の式と答えを言わせる。
『テキスト9ページ。練習をします。2つできたら持ってらっしゃい。』
間を空けない。たたきこむように、次の指示を出す。
練習は全部で4問。書き込み式だから、すぐできる。
2問と4問で○×。4問目できた子から、板書させていく。
終わった子は、テキスト9ページに、筆算から書く計算が9題あるので、やらせておく。
ただ、黒板に練習の4問が書き終わった時点で、練習の答え合わせをする。
板書した子に、筆算の式を読ませる。
「23×3は69。」
『69と書いた子?』
全員の手があがってない。答え合わせをしているのに、テキストの他の問題をやっているのだ。
『全員起立。69と書いた人、すわりなさい。』
これで全員が答え合わせ向かった。
『全部合ってた人?花丸をつけなさい。まちがってた人、なおしておきなさい。 書いてない人、うつしておきなさい。写すのも勉強の内です。一番いけないの は何も書いてないことです。』向山氏のきまり文句である。
『教科書43ページ、いるか1をノートにやります。3つできたら、持ってらっ しゃい。』
待たない。
『ページ数、いるか1、書くんですよ。』
『筆算と筆算の間、一行あけるんですよ。あけてなかったら書き直しです。』
『筆算の線、定規で引いてますか。』
最初の子が持ってくるまでの間、注意を促す。
それでも何人かは、上のことが守れていなかったりする。
3問目、5問目で○×。5問目が○なら、板書。終わった子は、テキストの続き。5問、板書された時点で、答え合わせ。
これで、35分間の授業が終わった。
実際は、答えのまちがいもあったりするから、いかにテンポが速かったか、わかるのではないだろうか。
しかし、子どもはしっかりできていた。
そして、私もとっても気持ちのいい授業であったのだ。
(1999.4.26)