学力研地域集会の前夜祭の中で、久保齋氏が1時間に渡って話をされました。まさに講演でした。この話を聴いただけで、山口に来た価値があったというものです。(以下にメモを紹介。)
① 教育が地域にまかされてきた。住民の声で教育が動く。
(教師のやっていることが住民に支持されれば、その地域の教育が変わっていく。)
② 教育の地域によるデコボコ状態が起こる。専科ありの学校、なしの学校。30人学級の学校、40人学級の学校。(京都は専科なし。)
③ 新自由主義による規制緩和は、強い者が守られる構造。
④ 分かれ道に出会った時に、知性で判断できるような子どもにさせるのが、教師の役目。
(そのためには、様々な情報を教師の価値判断をぬきに、与えることが大事。)
⑤ 子どもの内面の自由には触れない。選ぶのは子ども自身。
⑥ 自分のポジションで学校全体に向けてできることをする。
⑦ 意識していなくても、教師の発問が、できない子どもを苦しめている。
⑧ 子どもたちを改善するための実態調査かどうかが大事。学校独自の実態調査を4月・7月にやり、子どものため、教師のためになるようにする。
⑨ 教えてそれが分かるまでは1年間かかる。
⑩ 自分がやれることを確認できて自信となる。
⑪ すぐれた教師は、評価が的確で、子どもに見通しを持たせられる。
⑫ 職場を変えられるビジョンを持っているかどうかが大事。(この手とこの手があります。校長先生はどうですか。と提示する。)
⑬ 世の中がみんな訓練主義の基礎・基本になっている。
⑭ 津々浦々に知られてしまった百マス計算だからこそ、その本質を語っていく必要がある。
⑮ スケジュールが必要であり、プログラムとして提案すべき。
⑯ 合っていたら○、なぜと聞かれないから論理性が育たない。
⑰ 庶民は訓練主義一辺倒と道徳、私学は訓練主義ちょっとと豊かな教育。
⑱ 逆転があることを実証して、格差の固定を打ち壊す。
⑲ 努力すれば逆転がありうるよ、という学級経営をする。
⑳ 権力に対して文句を言っていても、子どもに対して逆転を組織できなければ意味がない。
10月の授業作り一日講座の久保先生の講座名が1つ思いつきました。
「逆転を組織する授業づくり」です。(もう1本は「一斉授業の勘所~1年間を見通した授業づくり~」。)
私が提案しているセレクト発問も、逆転を組織するために使えます。逆転の伏線は、マルチ発問の中で生み出すことができるのです。
(2007.4.1)