ジャンプを見つける教材研究

 大阪書籍の『小学算数5年上』の練習問題を実際にやってみました。
 算数の教材研究は、子どもが解く問題を教師が解いてみる所からスタートできそうです。(図工で子どもに教える作品を事前に描いたり作るのと同じです。)
 12ページの練習問題は、「次の数を10倍、100倍した数をかきましょう。」というものです。次の数は、「5.34 85.6 0.29 0.175」の4つです。
 教科書で扱った例題は、1.98の10倍100倍した数です。
 上の4つを10倍100倍すると、子どもは85.6の100倍でつまずきそうです。 0をつけ加えるというパターンが急に出てくるからです。(856の10倍とすれば既習事項なのですが、85.6から100倍は初めてのパターンなのです。)
 その次に難しいのが、0.29の10倍100倍です。
 これは小数点を移動したあと、0を消すという新パターンなのです。
 このように、教科書の練習問題はいきなりジャンプしています。
 練習問題というのは、そもそも子どもが分かっているかどうかを確認するためのものです。練習問題を教えないといけないというのは、おかしいことなのです。
 そのおかしいところ、いきなりジャンプしたところを見つけるのが、子どもの問題を教師が解いてみることなのです。
 ジャンプしたところを補填するのが、教師の役目なのです。

(2007.4.23)