国語は、重松清の「カレーライス」を学習している。
1学期は、テストの問題を解ける力をつけていきたいので、一字読解の手法で問題を出していく。
ぼくは悪くない。
だから、絶対に「ごめんなさい。」は言わない。言うもんか、お父さんなんかに。
① 話者は誰ですか。(ぼく)
② なぜ、ぼくは話者だといえるのですか。(ぼくの心情が書かれているから。)
③「誰が誰に何を言わない。」と言っているのですか。
(ぼくがお父さんに「ごめんなさい」を言わない。)
④「言うもんか、お父さんなんかに。」この表現法を何と言いますか。(倒置法)
⑤ 倒置法を使うことで、ぼくのどんな心情を表していますか。
(絶対言わないという心情)
⑥ なぜ「ごめんなさい。」を言わないと言っているのですか。
(ぼくは悪くないから。)
「いいかげんに意地を張るのはやめなさいよ。」
お母さんはあきれ顔で言うけど、あやまる気はない。先にあやまるのはお父さんのほうだ。
確かに、一日三十分の約束を破って、夕食が終わった後もゲームをしていたのは、よくなかった。だけど、セーブもさせないで、いきなりゲーム機のコードをぬいて電源を切っちゃうのは、いくらなんでもひどいじゃないか。
⑦「いいかげんに…」は誰が誰に言ってますか。(お母さんがぼくに)
⑧ なぜ、ぼくは先にあやまるのがお父さんのほうだと思っているのですか。
(セーブもさせないで、いきなりゲーム機のコードをぬいて電源を切るのは、いくらなんでもひどいから。)
「何度言っても聞かなかったんだから、しょうがないでしょ。今夜お父さんが帰っ てきたら、ちゃんとあやまりなさいよ。いいわね。」
お母さんはいつもお父さんのみかたにつく。
やあだよ、と言い返す代わりに、ぼくはそっぽを向いた。お父さんにしかられたのは、ゆうべ。丸一日たっても「ごめんなさい。」を言わなかったのは新記録だった。
⑨ お母さんは、なぜ「しょうがない」と言っているのですか。
(何度言っても聞かなかったから。)
⑩ ぼくは何度も何を言われたのですか。(ゲームやめなさい。)
⑪「聞かなかった」とはどういうことですか。(ゲームをやめなかったこと。)
⑫ ここでの「新記録」を別の言葉に置き換えなさい。(初めて)
ノートに①~⑫まで書かせてから問題を次々、出していく。
正解したら○、間違えたら赤で正解を書かせていく。
(2010.4.18)
「カレーライス」の問題作りを続けます。
「いい。今夜のうちにあやまって、仲直りしときなさいよ。あしたから『お父さんウィーク』なんだから、けんかしたままだとつまらないでしょ、ひろしだって。」
①お母さんは誰に誰と仲直りするように言っていますか。(ひろしにお父さんと)
毎月半ばの一週間ほど、お母さんは仕事がいそがしくて、帰りがうんとおそくなる。その代わり、お父さんが夕食に合わせて早めに帰ってくる。それが「お父さんウィーク」だ。
②「お父さんウィーク」とは、どんな一週間ですか。
(お母さんの代わりに、お父さんが夕食に合わせて早めに帰ってくる一週間)
「お父さん、ひろしがよくないことをしたらしかるけど、ひろしのことが大好きなのよ。分かるでしょう。今朝も『ひろしは、まだすねてるのか。』って、落ちこんでたのよ。」
③お母さんはひろしに、何が分かるでしょう。と言ってるのですか。
(お父さんはひろしのことが大好きなこと)
ほら、そういうところがいやなんだ。ぼくはすねてるんじゃない。お父さんと口をききたくないのは、そんな子どもっぽいことじゃなくて、もっと、こう、なんていうか、もっと─。
④ひろしは、どういうところがいやなのですか。
(ひろしがすねてるとお父さんが思っているところ。)
⑤「もっと」の後にある「─」は何を表現していますか。
(ひろしの言葉に表せない思い。)
「『特製カレーを食べれば、きげんも直るさ。』って張り切ってたから、ばんご飯の前におかし食べたりしないでよ。」
⑥張り切っていたのは、誰ですか。(お父さん)
「またカレーなの。」
⑦「またカレーなの。」から、何が分かりますか。
「文句言わないの。だったら自分で作ってみれば。学校で家庭科もやってるんでしょ。六年生になったのに、遊んでばかりで家のことちっともしないんだから、全く、もう─。」
⑧「全く、もう─。」の「─」にどんな言葉が入れられますか。
(例:しょうがないな。)
お母さんはいつだって、お父さんのみかただ。
それがくやしかったから、何があっても絶対にあやまるもんか、と心に決めた。
⑨「それが」の「それ」とは、何のことですか。
(お母さんがいつもお父さんのみかたをすること)
ほぼ市販のテストの問題と類似しています。テストを作る人の立場に迫ります。
(2010.4.20)