学ぶチカラを育てる社会授業

 4月20日に、季刊雑誌『教師のチカラ』の原稿依頼がありました。
 特集名が「教科授業で「学ぶチカラ」を育てる方法」で、高学年社会科での実践を紹介してほしい、というものでした。
 2P・1920字前後という結構、アバウトな指定です。
 問題なのが、締め切り日です。4月28日です。約1週間後です。
 多分、依頼してた原稿が何らかの理由でダメになり、穴が空いたのでしょう。 明日は1日予定があるので、何とか、今日中に半分ぐらいは書き上げなければ、と思っています。
 この考現学が、1行36字なので、53行程度書けば、いいわけです。
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 歴史の授業で、子どもたちに考えさせたり話し合わせたりすることは難しい。なぜなら、内部情報が少なすぎるからである。それゆえ、知識注入型の授業になりやすい。でもそれでは、子どもに学ぶチカラは育っていかない。
 では、どうすればいいか。

 一、内部情報を蓄積させるための作業をさせる。
 二、その内部情報を元に、課題を考えさせる。
 三、それぞれの課題に対する考えを話し合わせる。

 縄文時代と弥生時代の学習であれば、それぞれの時代の想像図を元に気付きを書かせ発表し内部情報を蓄積させる。次に「縄文時代と弥生時代では、どちらの時代でくらしたいか」の課題を選択させ、その理由を書かせる。そして、お互いの理由を発表・質問・反対(いわゆる討論)させ、縄文時代と弥生時代の違いをより深く理解させていく。

一、内部情報蓄積させるための作業
 教科書・資料集・歴史関係の本・歴史マンガ(『火の鳥』や『日本の歴史』など)を授業の中で使わせ、子どもたちに内部情報を蓄積させていく。
【方法①】
 想像図や写真資料などから気付きを書かせて、さらに板書させる。      その板書の気付きを元に、教師が知識を付け加えて入れていく。
「蒙古襲来絵詞」では、子どもたちは次のような気付きを板書している。

1)元軍がいっぱいで日本軍は一人。
2)元軍は刀を持っている。
3)指揮官みたいな人が乗っている馬からも血がでている。
4)ちがういしょう(はでな方)が元軍の人だと思う。
5)元軍の方が日本軍より人数が多いと思う。
6)3人の人は、馬をねらっていると思った。
7)弓やをなげあっている。
8)馬に乗っている人が一人いる。

(実際には、黒板全面が子どもの気付きで埋まっている。)
 黒板のを端から順に読ませながら、私がコメントを入れていく。例えば、1の意見に対してであれば、鎌倉時代の武士は、1人1人名乗りを上げて、一騎打ちで戦っていたこと、一方、元軍は集団戦法で戦うことを話す。8の意見であれば、日本では馬に乗っているのは身分の高い武士、一方、元軍は本来騎馬民族で、全員が馬に乗っていることを話す。しかし、この絵では元軍は馬に乗っていない。そのことが日本軍が元軍を追い払えた理由の一つにもなってるのである。

【方法②】
 教科書・資料集などで、対象人物や事象について調べさせて、ノートに書かせる。

 ノート1ページを縦半分に折らせ、左半分に聖徳太子について調べたことを書かせる。すると、十七条憲法や冠位十二階の制を作ったことや法隆寺を建てたことなどが出される。さらに、ノートの右半分に、調べたことの中で解説のいる言葉や事象についての説明も書かせていった。遣隋使とは何か、小野妹子とは誰かなどを詳しく書くわけである。
 この次に、教師の方で、「聖徳太子は何のために○○をしたか」の課題を調べたことを元に考えさせていく。
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 こうして説明してるより、ノートのコピーを紹介した方が早いかもしれません。

(2011.4.23)

二、課題を選択し、理由を考える思考作業
 気付きを書く作業も調べる作業も、それらには正誤はない。どうしてもやりっぱなし感がある。学ぶチカラをつけるためには、選択させ、その理由を見つけ出す思考作業が必要になってくる。
 選択させるための発問をいくつか例示する。

1)「人々は、大仏づくりに賛成していたか反対していたか。」
2)「貴族と農民、どちらに生まれたいか。」
3)「朝鮮出兵に、武士たちは、賛成していたか反対していたか。」
4)「鎖国をして(日本にとって)よかったか、よくなかったか。」
5)「(ペリー来航後の)開国に、賛成か、反対か。」
6)「富国強兵して、よかったか、よくなかったか。」
7)「15年戦争は、どの段階なら止めることができたのか。」

 自分の選択を支持するような理由を教科書や資料集から探させることで、今まで漠然と見ていては気付かなかったことが見えてくる。  

三、討論:反対意見が論理力を鍛える
 自分の正当性を主張するだけでは、逆選択の意見を否定することにならない。相手の主張をしっかり聞き、理由のどの部分に反対できるかを考え、そして反対する。論理的思考を必要とするのが討論なのである。
 討論についえは、機会があれば、その時に論述していきたい。
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 唐突に終わった感はありますが、これでも字数オーバーです。
 さらにノートのコピーをどこかに入れてもらおうと思っています。
 タイトルは「学ぶチカラを育てる歴史授業」です。本一冊のタイトルにはいいかもしれませんが、原稿としては、もっと絞った方がいいのでしょうね。
 次に、プロフィール100字を書きます。

授業歴19年目、6年の歴史を教えるのが特に好きです。いつも3学期の途中まで歴史を教えてます。毎月例会をしている大阪教育サークルはやしの代表もつとめています。サークル歴も19年。地道に続けることが得意です。拙著『2つの発問で組み立てる授業』(フォーラム・A)

 これも100字オーバーです。これをあとで削って加工するわけです。
 考現学での書くのは、まあ下書きです。
 原稿の場合は、もう一度、見直して、余分な言葉を削って、もう少し加工していきます。
 機会があれば、実際の原稿と、この考現学の文とを見比べてみて下さい。
 微妙な変化が実は、結構重要だったりするのです。

(2011.4.24)