メッセージのある詩の扱い方

『新しい国語五上』(東京書籍)の扉詩です。

1)音読(連れ読み→たけのこ読み)
2)題名は何ですか。(あいたくて)
3)作者は誰ですか。(工藤直子)
4)工藤直子さんの書いた有名な詩集に『のはらうた』があります。そこに、「お れはかまきり」という詩があります。読んでみます。
5)『おれはかまきり』かまきりりゅうじ おう なつだぜ おれは げんきだぜ
 あまり ちかよるな おれの こころも かまも どきどきするほど ひかってるぜ
 おう あついぜ おれは がんばるぜ もえる ひをあびて かまを ふりかざす
 すがた わくわくするほど きまってるぜ
6)「おれはかまきり」の作者は工藤直子です。でもこの詩を語っているのは、か まきりりゅうじです。このように詩を語っている人を話者といいます。
7)話者は、大人ですか、子どもですか。(分からない)
8)「おつかいのとちゅうで迷ってしまった子どもみたい」のような表現のことを 何といいますか。(比喩)
9)比喩のある文を書きなさい。
10)作者が作品に込めたメッセージを主題といいます。工藤直子さんは、この詩 で何をみなさんに伝えたかったのでしょうか。
11)主題をつかむためには、鍵となる言葉・キーワードを見つけるといいです。
12)この詩のキーワードは何ですか。(あいたくて)
13)なぜ「あいたくて」がキーワードなのですか。(くり返されてるから。題名に なってるから。)
14)くり返しのことをリフレインといいます。
15)では、キーワード「あいたくて」を使って、この詩の主題を読み取ってみま しょう。
16)話者があいたい理由は、何連に書いてありますか。(三連)
17)それが分かる言葉は、どれですか。(だから)
18)あいたい理由を書きなさい。理由を書くときは、文末に「から」をつけます。(みえないことづけを手わたさなくちゃいけないから)
19)ことづけを別の言葉で言いかえなさい。(伝言・メッセージ)
20)みえないことづけを手わたさなくちゃいけないのは、話者だけですか。
21)もう一度、聞きます。この詩の主題は何ですか。
22)この詩は、「人は伝えるためのメッセージを持っている」。これがこの詩の主題だと、先生は考えます。これは使命・役割といいかえてもいいでしょう。
23)先生にも、みなさんにも、生まれてきたことの使命や役割があるのです。それを見つけて、成し遂げるのが人生といえるでしょう。この一年間、一緒に見つけていきましょう。

 扉の詩は、メッセージ性が強いです。
 そのメッセージを都合よく読み取って学級づくりにいかすのが、教師の役割といっていいでしょう。
 今回、授業展開の中に、話者・リフレイン・比喩・主題などを詰め込んでみました。本来なら、一つ一つ教えるべきことですが、高学年では難しいことを勉強していくんだということを意識させるために、あえてやっています。
 何を教えるかにも、教師のメッセージが込められるわけです。
 これを学級開きの講座で、模擬授業していこうと思っています。

(2012.4.5)