なぜ正解ではないのか

 野呂昶「こわれた千の楽器」のテストの第1問は、
「ねむっていたのはだれですか。」です。

 ある大きな町のかたすみに、楽器倉庫がありました。そこには、こわれて使えなくなった楽器たちが、くもの巣をかぶって、ねむっていました。

 これを授業で扱おうと思ってます。
 答えとして出されそうなのは、次の4パターンです。

1)楽器               2)楽器たち
3)使えなくなった楽器たち      4)こわれて使えなくなった楽器たち

 正解は「こわれて使えなくなった楽器たち」です。ただ、なぜ1~3では、ダメなのか(不十分なのか)を子どもたちに分からせないといけません。
「楽器なら、ねむっていた楽器は1つだけということになる。」
「このお話で重要なことは、楽器がこわれて使えなくなっていることだから、こ われて使えなくなった、という言葉を抜くわけにはいかない。」
 そのあたりが、子どもたちから反対理由として出されればOKなわけです。
 ついでに、文章中に漢字で書かれた言葉をひらがなに直すと、不正解になることも教えておこうと思います。
 あと、「~です」も、答えにはつけないことも教えておきたい。

(2013.4.14)

 一昨日の考現学に書いた「ねむっていたのはだれですか」の授業です。

1)がっきたち            2)ねむっていたのは楽器たち
3)千の楽器             4)こわれてつかえなくなった楽器たち
5)ねむっていたのはこわれて使えなくなった楽器たち
6)ここは楽器たちがねむっています  7)チェロなどの楽器

 今回は、発表者のノートを見て板書していきました。1の種田くんのような漢字をひらがなに変えてる子を見つけたかったからです。
「正解しているのは1人だけです。でも完璧正解ではありません。」
 どれがおかしいのか一通り意見を言わせたあと、「こわれて使えなくなった」が必要かいなかを問いました。
「こわれて使えなくなった楽器たちだから、このお話が成り立つのです。」
というような話をしました。
「がっき」のおかしさを問うと、「教科書に漢字で書いてあるから」との意見があり、「教科書の書いてることを勝手に変えない」ことを教えました。
「つかえなくなった」のも「使えなくなった」でないといけません。
 また、楽器は1つではないから、「~たち」が必要。
 5番の「ねむっていたのは」は問題文にあるので必要なし、抜くと完璧正解。

(2013.4.16)