逆転現象を生み出す

 授業の中で、できると思われてる子が間違い、できないと思われている子が正解する逆転現象の場を日常的に生み出したい。
 そうすることで、できる子は油断できないと思い、できない子は自分もやればできると自信を持てます。それが教室に生まれる差別の構造を破壊することにもつながっていくのです。
 明日の算数は、次の問題から始まります。

 0から9までの数字カードを、どれも1回ずつ使ってできる10けたの整数を つくりましょう。
 ① いちばん大きい数をいいましょう。
 ② いちばん小さい数をいいましょう。

 ①は、素直に「9876543210」と大きい順に数字を並べればいいです。 ②は、0を一番最初に持ってこれないので、1が最初になり、多くの子は、次のように書くでしょう。「1234567890」と。でも、正解は次のようになります。「1023456789」となります。
 本当の逆転現象ではないですが、①をできない子に当てて正解させ、②をできる子に当てて間違えさせることはできそうです。机間巡視のとき、さりげなく、最初の10だけ教えれば、できない子を正解させられるかもしれません。

(2013.4.21)

 最近、伴一孝氏の『確認の原則』の映像を何度も聴いています。
 伴先生が3年生の授業を流しながら、確認の原則について解説しています。
 その中で、グラフの読み取りの場面が出てきます。
 グラフの最初の目盛りを読むところで、最初に当てられた女の子は「1」と言います。でも、それは不正解です。
 次に当てられた子が「2」と答えます。正解です。
 今まで目盛りが1ずつだったのが、ここで、2ずつになってるのです。
 最初に当てられた子が勉強のできる子で、次に当てられて正解したのが勉強のできない子だったのです。
 伴先生は、机間巡視によって、勉強のできる子が間違えてるのを見つけ、勉強のできない子が正解してるのも見つけていたのです。すなわち確認していたわけです。
 逆転現象を起こそうと思えば、誰がまちがえていて誰が正解しているかを確認できていないといけないわけです。
 また、伴先生は勉強のできない子に、目盛りの違いをさりげなく教えておいたようです。
 待っていては、逆転現象は起きないわけです。

(2013.4.22)