同音異義語習熟プリント

 石原大作『一生使える国語力~四つの力で文章が読める~』(2008.11筑摩書房)の中で、「漢字は10回書くから覚えられない」という記述がありました。

 じつは、漢字検定や学校の漢字練習ドリルのような、知識を効率的に詰め込もうとする教材には致命的な欠点があります。それは、あれこれ自分で考えない方が、知識はずっと簡単に覚えられる、ということです。
 たとえば「カンシン」という漢字を問われたとき、とりあえず明日のテストに出る「カンシン」を覚えておけばそれで点はもらえるでしょう。明日問われることのない「カンシン」まで覚えるのは、効率的なことではありません。同じように、「ホショウ」だって、それがどんな文脈で使われるのか、別にわからなくてもテストでは点は取れるんです。

「カンシン」には、感心・関心・歓心など同音異義語がいくつかあります。ただ、漢字テストに出てくる「カンシン」だけ覚えていても、その熟語の意味や文の中で使うことができないわけです。
 担任をしていたころ、漢字スキルを使って漢字練習をさせ、うそテストなどもさせて、100点を取らせていても、「これでいいのか」という疑問はありました。たんに「短期記憶」によって覚えてるだけではないのか、とも思ってたのです。
 そこで、同音異義語習熟プリントをExcelで作ってみました。

 大きく3つで構成されています。
 1つ目が、同音異義語の意味と練習欄です。扱い同音異義語は2つに限定します。3つ以上になると定着率が落ちると考えたからです。練習欄の一番上は、なぞり書きできるようなうすい文字にします。
 2つ目が、短文うつし書きです。同音異義語の使い方がこれで分かります。
 3つ目が、文に合った同音異義語を選んで書く問題です。3問にしているのは、最初の2問でそのとき扱う同音異義語を2つとも使わせ、最後の1問はどちらかを迷わせるためです。
 このプリントを子どもにさせたとき、教師は最後の問題だけを丸付けすればいいのです。
 さて、ひな形はできたので、次にやらないといけないことを列挙します。

1)各学年(4・5・6年)で出てくる同音異義語を全て見つける。
2)それぞれの同音異義語での短文を3つずつ作る。
3)短文の中に出てくる漢字の学年配当を調べて修正する。
4)プリントを作っていく。

 今は仕事がなくて、時間はたっぷりあるので、この機会を活かして、このプリントを完成させたいのです。
 できれば、清風堂で出版してもらえたらとも思ってます。
 まず1番をやってみます。試しに、光村の『国語六 創造』の最初のページから探してみます。

1)創造・想像 2)特製・特性 3)帰港・気候 4)司会・視界 5)構成
6)正確    7)進行    8)協力    9)資料    10)心情  11)要旨  12)事例  13)感想
14)絶対   15)意地    16)週間   17)視点    18)銭湯  19)体感  20)効果  21)状態
22)整理   23)検討    24)伝記   25)展示    26)優先  27)憲章  28)忠誠  29)招待
30)快適   31)市民    32)加盟   33)指定    34)鉱物  35)指示  36)賛成

 105頁まで。熟語一つのものは、同音異義語がありそうなものです。

(2015.4.8)