漢字の認識率の良さを授業する

『向山型国語教え方教室2015年4月号』の松崎力氏の論文は追試できます。

 私は、長方形の画用紙を三枚用意した。ローマ字で「YAMASHITAKOUEN」、平仮名で「やましたこうえん」、漢字で「山下公園」という言葉を書いた。
 「みんなも、大人になれば車の運転をします。高速道路では、瞬時に標識の文字を見分けなければなりません」と言って、「次に書いてある文字は、何でしょうか」と三枚の紙を一瞬だけ見せる。
 最初はローマ字を見せる。これは子どもたちはほとんど分からなかった。
 次は、平仮名を見せる。数人が、「あれ?分かりそう」という反応。
 最後に漢字を見せると「山下公園!」「分かった!」と全員が声を上げた。
 「漢字というのは、一瞬で分かりますね。とっても大切なものだから、みんな一生懸命練習していますね」とほめた。
 これは、今から、四十年ほど前に日本道路公団が行った実験で、その時用いられた標識は、「東京」「とうきょう」「TOKYO」の三種類だった。ローマ字で書かれた「TOKYO」は一秒五かかり、平仮名は〇秒七で、ローマ字の約半分。漢字で書かれた「東京」は、何と〇秒〇六、つまり平仮名の十倍の速さで認識される。認識は早い方が良い。なぜ漢字を練習するのか、その意味を教えることも大切である。

 画用紙3枚の準備でできるので、ぜひやってみたいです。

(2015.5.5)