もんがまえなの?

『白石範孝の国語授業の教科書』(2011.12東邦館出版社)からです。

 たとえば、「問」「聞」「閣」という三つの漢字があります。この漢字の部首はなんでしょう。「もんがまえ」だと思った方はいますか。では、その理由を説明できますか。たいていの人はできないと思います。それは部首という「用語」はなんとなく知っていても、「原理・原則」も、それを見つける「方法」も教わっていないからです。

 3つの漢字、全部「もんがまえ」だと私は思ってました。
 でも実際は、もんがまえなのは、「閣」だけです。「問」の部首は「口」であり、「聞」の部首は「耳」です。
 では、部首とは、何か。

形声文字の中の音読みと同じ部分を「音符」、残った部分を「意符」といいます。実は形声文字の部首は「意符」の方、という原理・原則があるのです。

「問」も「聞」も「門」が音読みの「音符」で、残った「口」と「耳」が「意符」になるので、それが部首となるわけです。
 では「間」「開」「閉」はどうなのでしょう。
「モン」「ブン」みたいな音読みができないので、「門」が「意符」となり、部首は「もんがまえ」となるわけです。

(2015.5.6)