光村6年国語に載っている次の詩を分析してみます。
1)題名は「せんねん まんねん」。漢字にすると「千年 万年」。
2)作者は「まど・みちお」。
3)連の数は2つ。しかし、3連4連と永遠に続く詩ともいえる。省略形式。
4)「ヤシのみ」「川」「清水」が擬人法で表現されている。
5)「のむ」を漢字にすると「呑む」。「飲む」は液体に使い、「呑む」は固形物に使う。要するに「呑み込む」。
6)「そのヤシのみが」の「その」は何を指すか。「いつかのっぽのヤシの木になりたい(ヤシのみ)」。
7)「のっぽのヤシの木」は、ヤシのみがなってるヤシの木とは限らない。
8)一連の「ヤシのみ」と二連の「ヤシのみ」は違うヤシのみ。
9)「昇る」「登る」「上る」は、それぞれ違う。詩は上昇の「昇」。
10)「そのワニを川がのむ」とはどういう意味か。病気か寿命で亡くなったワニが川の中に沈み、やがて分解されて、水に混じっていくことを指しているのでは。
11)「今まで土の中でうたっていた清水」。清水が何をうたうのか。生を謳歌するの謳うなのか。地面の中を流れる音を指しているのか。
12)「はるなつあきふゆ」を2回くり返すことで、何千回も何枚回も季節がくり返されてきたこを表している。
13)「はるなつあきふゆ」をひらがなで表記することで、年月の長さと、人間が関わっていなかったことを表している。
14)「川がのんだのはどんなワニですか。詩の表現を使って、できるだけ長い答えを書きなさい。」。例えば、「ミミズをのんだヘビをのんだワニ」。もっと長くできる。
15)「長い千年万年」「短い千年万年」。長いも短いも基準の問題。
「風が吹けば桶屋が儲かる」的な詩ともいえます。
ヤシのみを擬人化しているので、「地べたに落ちることを人間の行動に例えれば何になりますか」と聞くと面白いかもしれません。
(2015.5.10)