『白石範孝の国語授業の教科書』で、一部分穴あきで右の詩が紹介されていました。
子どもからは2パターンの答えが出ます。
一つはウサギ、キリン、ハイエナなど、ライオンが食べる動物です。もう一つはガブリ、ペロリ、ガツガツなど、食べる様子です。
おもしろいものでは「女房」という意見がありました。
白石氏がおもしろいとした「女房」は、喰べたの主語が「ライオンと女房」になるので、まちがいです。
ところで、上記の答えの例に、正解はありません。
なぜなら、どれもライオンのイメージに合う詩として当たり前の言葉ばかりだからだと、白石氏は言っています。
この詩は、工藤直子の『てつがくのライオン』(理論社)に載っています。
工藤さんは「しみじみ」を選びました。
まさに、哲学のライオンです。ライオンのイメージからかけ離れた言葉を選ぶことができるのを詩人というのでしょう。
(2015.5.21)