井沢元彦『歴史を人生の武器にする』(2015.1悟空出版)より。
基本的に日本でしか出土しない銅鏡「三角縁神獣鏡」が魔鏡であることが解明されたというニュースである。(中略:荒井)
魔鏡というのは、それに光を当て、反射させると複雑な文様を映し出す特別な鏡のことだ。実は古墳時代の鏡がそれであるかないかを確認することは、これまではまったく不可能であった。そのためには、鏡を磨かなければいけないからだ、これは「文化財は現状のままで保存する」という理念に反する。
古代の出土品をいくつか見せて、「文化財は現状のままで保存する」ことに賛成か反対か聞けば、多くの人が賛成するでしょう。
でも、そのために「三角縁神獣鏡」は魔鏡であるかどうかが確かめられません。
鏡を磨くことができないからです。
どうしたらいいでしょうか。
京都国立博物館の村上隆学芸部長が「ならば最新の技術である3Dプリンターでレプリカを作ればいいではないか」と考えたのです。
3Dプリンターで、これまでできなかったことができるようになった一つの例として、使えそうです。
3Dプリンターの授業を考えてみます。
(2015.8.5)